使う参考書・問題集は絞るべし!

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復習が大切 公務員試験入門
室長
室長

皆さんも、学校や塾でよく先生に「復習は大切です。復習しましょう」と口癖のように言われた記憶はありませんか。私もよく先生からその言葉を聞いた記憶がありますが、学生時代にまじめに復習をした記憶はほぼありません

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脳科学からみた“復習すること”の重要性

学校の先生が「何故復習が大切なのか」を厳密に知っていたかどうかは定かではありませんが、これはその通りで、復習、すなわち「繰り返し学習すること」は、勉強において最も大切な要素の1つです。公務員試験最短合格10の心得の四です。

また脳の話です。脳の記憶には大きく分けて「短期記憶」「中期記憶」「長期記憶」の3種類があります。

短期記憶とは、30秒~数分以内に消える記憶で、非常に小容量。その名の通り「短期的な記憶」です。

一方長期記憶とは、脳に長期間に渡って保存される「長期的な記憶」で、忘却しない限り死ぬまで脳に保持されます。受験で使える記憶は、つまり長期記憶です。

そして、中期記憶とは、短期記憶が長期記憶とされるまでの間に、脳の海馬(かいば)という器官に一時的に留まる記憶であり、最大1か月間程度保持されます。その1か月の間に、海馬に保持されている中期記憶が海馬によって不要と判断されれば、その記憶は長期記憶とならずに消えてしまいます。

したがって、どうすれば長期記憶を作ることができるかというと、脳に入ってきた情報が、海馬によって「重要な記憶である」と判断されればよいのです。

そして、海馬によってその情報が「重要な記憶である」と判断されるには、中期記憶が海馬に留まっている間に、同じ情報を何度も何度も反復して海馬に送り続けるしかないのです。

海馬に保持されている記憶に、複数回同じ情報がアクセスされれば、その記憶は重要なものとみなされ、海馬から大脳皮質に送られて長期記憶となるというわけですね。

しつこいようですが、公務員試験は範囲が膨大です。したがって、復習するのも一苦労です。しかし、脳の構造上、半年から1年間という短期間でこれだけ膨大な記憶を脳に定着させるには、ただ愚直に同じことを繰り返し学習するしか方法はないのです。

同じことを繰り返すのは、マンネリ化を招き、苦痛を伴います。しかし、繰り返し学習するうちに、自然と頭に知識が定着し、設問を解く力が付いていくプロセスは、非常におもしろいものです。

室長
室長

というか、「おもしろい」と自分に言い聞かせてください。催眠術師の友人がいたらお願いするのも有効な手段ですね。

公務員試験勉強に限らず、繰り返し学習するということ、つまり復習作業は、あらゆる勉強における基本中の基本です。何度も復習すれば、必ず実力が付いてきます。それを信じて、諦めずに根気良く、反復学習を最後まで継続してください。

反復学習とは「同じ問題集で」繰り返し学習すること

反復学習の重要性については既に述べたとおりですが、復習の効果は当然「同じ内容のもの」に対して生じます。同じ内容の学習を繰り返すことによって初めて、脳に長期記憶として定着するのです。

よって、公務員試験勉強においての反復学習とはつまり、「同じ問題集を何周もする」ということです。 公務員試験最短合格10の心得の五にあたります。

中には、様々な設問に対応するための広範な知識を得るためには、何種類かの問題集を使わなければダメだ、と主張される受験生の方もいると思います。

その主張は間違いではありませんが、その主張が通用するのはあくまで「それぞれの問題集の内容をきちんと身に付けることができている」場合です。

受験生の中には、少しでも良い参考書や問題集は無いかと、何種類もの参考書や問題集を購入しては使い試しをして、書籍に関する知識だけは一人前の参考書・問題集マニアが必ずいます。

確かに参考書や問題集選びは重要です。特に独学者においては、公務員試験に合格できるかどうかは、問題集選びで半分ぐらい決まってしまいます。

ゆえに問題集選びには十分に慎重になるべきだし、優れた問題集を選ぶためにいろいろ試したくなる気持ちは理解できます。

しかし、復習効果を考えた場合、その行為は間違っていると言わざるを得ません。

問題集なんてものは、1冊を最後までやりきって初めてその科目の「全体像」を掴むことができるものなのです。

よって、ある問題集を途中まで使って、「いまいち自分に合わないから」などの理由で安易に他の問題集に乗り換えてしまう、ということを繰り返していると、いつまでたってもその科目の内容を網羅的に捉えることはできません。

1回目に理解できない部分があったとしても、問題集を最初から最後まで1回通ることでおおまかでもその科目の全体像を掴んでさえいれば、2回目は1回目で解らなかった部分や細かい部分が見えてくるものなのです。

1冊の問題集を1回こなしたら、今度は別の新しい問題集へ移り、それを終えたらまた別の問題集に移る、という場合も同様にダメです。普通の人間が、1冊の問題集を1回通っただけで、その問題集の内容を完璧にマスターできるはずがないのです。

何より、問題集を1回通っただけでは、よほど頭脳明晰な方でない限り、やり終わった頃にはかなりの内容を忘れているでしょう。

はっきり言って、一般的にそこそこ評価されている問題集であれば、どの問題集を使っても学習効率には大差無いと思います。要は使いようなのです。

問題集は同じものを最低3周はすること

したがって、周囲の人やネットの情報に惑わされて、アレコレ問題集選びに時間やお金を費やして中途半端な知識を集めている暇があれば、有名な本を1冊買ってとにかく最後までやりきって、それを最低3回ぐらいは繰り返してください。

そして、選んだ問題集を徹底的にやり込んで、その問題集から得るものがもう無いぐらいのレベルに達して初めて、もうワンランク上の問題集に取りかかるのです。

1冊目の問題集では出てこなかった論点が新しい問題集に掲載されていることがあるので、知識や視野が広がるというメリットがあるし、解説もまた異なる視点で書かれていたりするので、1冊目では理解できなかった論点が2冊目の問題集で明確になったりすることもあるでしょう。

いずれにしろ、つまみ食いみたいに何種類もの問題集をアレコレ使い分けるよりも、1種類の過去問集を徹底的にやり込んだ方が、記憶の定着という観点からも絶対に効率的です。

だから1年程度の学習計画であれば、使う本の量は、1科目につき重要科目で参考書1冊・過去問集2冊ぐらい、その他科目で過去問集1~2冊ぐらいが限度だと思いますし、それで十分です。周りの意見に惑わされず、一度選んだ本は強い意志を持って最後まで使いきってください。

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