科目別学習開始時期と学習順序を整理する

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学習戦略を練る 公務員試験入門

各科目にはそれぞれ特徴があります。それぞれの科目の特徴から、どの科目はどの時期から学習を始めるべきか、またどの順序で学習すれば効率的に学習を進めることができるかについて、勉強開始前に把握する必要があります。

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科目によって学習開始時期が異なる

まず学習開始時期について、各科目の特徴を考慮して整理すると、以下の通りになります。

① 学習初期に取りかかるべき科目

  数的処理(数的推理・判断推理・資料解釈)、民法、経済学

これらの科目は力がつくまでに(慣れるまでに)比較的時間がかかります。さらに数的処理は出題数が多いし、民法及び経済学は範囲が広い上に国家一般職で2科目分出題されます。要するに勝負科目です。

② 学習開始から試験直前まで毎日継続学習すべき科目

  文章理解、数的処理(数的推理・判断推理・資料解釈)

これらは出題数が多い上に、学習間隔を開けると勘が鈍りやすい科目です。特に数的処理については、公務員試験勉強の最初から最後まで、ほぼ毎日学習し続ける必要があります。

③ 新しい問題集が発売されてから学習すべき科目

   財政学、時事

その性質から、新鮮な情報でないと意味がない、要するに過去問演習があまり効果的でない科目です。財政学は「新スーパー過去問ゼミ(実務教育出版)」の改訂版が出てから、時事は「公務員試験 速攻の時事(実務教育出版)」の改訂版が出てから学習を始めます。

室長
室長

本格的な勉強は新しい参考書が出てからで構いませんが、2次試験以降のことを考えて、知識の蓄積という意味でも公務員試験勉強開始初期から時事には常に注意を払うよう心掛けることが必要です。

効率的な勉強のために学習順序を工夫する

次に、学習順序の整理ですが、特に専門科目において、論点が重複するなど関係性が深い科目郡は、学習順序を工夫することにより効率的な学習が可能になります。

① 法律科目(憲法、行政法、民法、刑法、労働法etc)

法律系科目については、全ての法律の基礎となる国家の最高法規である憲法、又は私法の一般法である民法から学習を始めること。この2科目を一通り勉強すれば法律感覚が磨かれ、他の法律科目の学習がスムーズになります。

② 経済系科目(経済学、財政学etc)

経済系科目はまずはマクロ経済学、ミクロ経済学から学習すること。財政学は経済学と重複する部分が多いので、財政学の学習は経済学の学習が終わってから始めます。

③ 行政系科目(政治学、行政学、社会学etc)

行政系科目全般は重複する論点が多いため、同時又は近い期間に学習すること。

④ 教養論文

国家一般職では1次試験で、地方上級では概ね2次試験で教養論文(一般論文)が課されます。時事の勉強は教養論文対策と面接対策につながるので、教養論文対策は時事の学習がひと段落してから始めます。時事は国際関係や財政学、各種行政系科目など幅広い科目とつながりが深いため、他科目の復習にもなります。

最初の2~3か月は重要科目を繰り返し学習する

上記事項の補足になりますが、あまりに多くの情報が頭に入ってくると、記憶が邪魔しあって記憶効率が下がるという「記憶の干渉」が起こります。

よって、効率的な学習という観点から見ると、できるだけ少ない科目を、短期間に何回も繰り返し学習するという方法が最も有効といえます。

ところが、公務員試験で出題される科目数は非常に多いため、少なくとも半年から1年間という計画で学習する場合は、「1日1、2科目の学習」というのをずっと続けるわけにはいきません

明らかに時間が足りなくなるので、1日の間に教養科目と専門科目を数科目ずつ並行して学習しないといけない期間が必ず生まれてきます。

しかし、受験勉強開始初期は、頭が公務員試験勉強に慣れていないので、最初からあまりに多くの科目を詰め込んで勉強するのは得策ではありません。よって、最初は重要科目に絞って一通り学習を終えることに集中し、それを何回も繰り返すことにより基礎固めに専念してください。

メイン科目をしっかりと固めれば、当然試験そのものの得点力は上がるし、メイン科目の学習時に自然と「勉強のコツ」みたいなものが身に付いているので、その後の他の科目を学習する際に非常に楽になります。

これを心理学用語で「学習の転移」と呼ぶそうですが、脳は「ある分野の理解の仕方を覚えると、他の分野に対する理解の仕方までが上達する」という素晴らしい性質を持っているのです。

例えば、憲法と民法の学習を一通り終えると、法律的な考え方が身に付きます。すると、以後のその他の法律科目の学習が非常にスムーズになります。

また、多肢選択式の設問などは、いくつも問題演習をこなすうちに、設問の言い回し等から「この設問は間違っているな」と自然と勘が働くようになってきますが、これも学習の転移効果の一つでしょう。

人間は、学習を重ねる中で、「知識」だけでなく問題を解く「方法論」というものを無意識のうちに記憶しているのです。最初の2~3か月間で、主要科目をしっかりと身に着けて得点力を身につけるとともに、公務員試験勉強用の頭を作るというわけですね。

上述のとおり、公務員試験勉強開始初期に学習すべき主要科目は、教養科目では数的処理、専門科目では憲法、民法、行政法などの法律系主要科目及び経済学等です。

これらを最初の2~3か月間である程度のレベルまで持っていき、一段落付いたら周辺科目を加えて、受験勉強を加速してゆきましょう。

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