予備校か独学か、どちらを選ぶ?

wakaremichi_man 受験者の心がまえ

第2章の「予備校はポイントで利用すべし!」の記事で本サイトにおける見解を示しているテーマであり、重複もありますが、受験者の多くの方が気にする部分でもあるようですので、コラムとして触れておきたいと思います。

公務員を目指して受験勉強を始めようというときにまず考えるのはコレですね。公務員予備校に行くべきか、あるいは独学で合格を目指すか

時限爆弾の赤のコードを切るべきか、青のコードを切るべきかのときぐらい悩ましい問題です。

しかし悩むのは当然です。一生涯の職を決めるビッグイベントともいえる公務員試験において、この決断は正に天国か地獄かの分かれ目になる可能性があるのですから、慎重に決めるべきです。

結論から言いますと、公務員予備校に通った方でも独学の方でも合格者はいますので、人によるということです。

しかしこんな安直な答えは誰でも言えることなので、公務員試験対策室ならではの、もう少しきちんとした解説をしたいと思います。

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予備校向き?独学向き?タイプ別にみる

では、どういうタイプの方が予備校向き、あるいは独学向きなのか、3つのタイプに分けて見て行きます。

1.集中力がない、計画性がない、自主的に勉強をすることが苦手だ、自分で情報を集める自信がない、などという、そもそも勉強嫌いな方々

このタイプの方は、金銭的余裕がなくても可能な限り予備校に通うべきです。こういった方達は独学の場合、まず公務員試験勉強開始時に大きくつまずく可能性があります。

さらに継続的に勉強をすることも苦手な傾向にあるため、途中で挫折する可能性が多いにあります。

こういう方は、まずは受け身で受験勉強に入り、予備校で周りの受験生達から刺激を受けることで能動性を身に着け、勉強意欲を保ちつつ学習をする、といったやり方が効果的だと思います。

2.試験日までに1年以上の期間があり、合格するためならお金は惜しまないという方々

要するに時間的にも経済的にも比較的余裕のある方々ですが、コツコツ勉強できるタイプの方であっても予備校に通う価値があります。何故なら、そのほうが最初から独学で学習するよりも明らかに楽チン、合格までのハードルが低くなるからです。

予備校では専門講師から知識を体系的に取り入れることができ、また公務員試験の流れを掴むことができるため、特に初学者にとっては独学よりも幾分スムーズに学習を進めることができます。

ある程度要領を掴んだらあとは独学に移行し、予備校で学んだことを復習し、またワンランク上の問題集を解くなどさらに勉強を進めてゆけば、万全の体制で試験に臨むことができるでしょう。

3.大学受験等で過去に自主的かつ計画的かつ地道にコツコツと勉強したことがある、あるいは元々そういう性格であり、独学には自信があるというタイプの方々

例え初学者であっても独学でも十分合格が可能なタイプの方々ですね。むしろ予備校に行く時間とお金がもったいないです。

今は書籍やWEB等でいくらでも勉強法や過去問・参考書についての情報が手に入ります。独学の場合はとにかく「いかに良いテキストを最初に見つけるか」が一番のポイントなので、それさえクリアすれば後は試験日までに学習計画を自分で立ててひたすら勉強を続けることで、よほど効率の悪い勉強をしない限り合格レベルに達することができます。

試験内容や勉強のコツ等の情報についても、当サイトを始め様々な情報源から容易に入手できる現在においては、独学のデメリットは昔に比べかなり小さくなったと言えるでしょう。

さて、以上大きく3つのタイプを見てきましたが、予備校か独学かの選択は、要するに、独学で目標を達成した経験があるかどうか、独学に適している性格なのかどうか、また独学でやれる程の強い意志があるかどうか、これに尽きると言うことです。

お金のある方は取り敢えず予備校なり専門学校に通ってそこから自分なりに広げて深めていけば合格、独学スタイルに自信のある方は本やネットで情報を集めてコツコツ対策に取り組めば最低限の予備校利用で合格できるということです。

予備校を全く利用せずに合格を目指すというスタイルは、正直申しまして非現実的です。別記事でも主張しているとおり、予備校が実施する模試は必ず受験しておくべきです。

また、基本独学であっても、1次試験における苦手科目だけ予備校に頼るというスタイルや、小論文や専門記述といった論文対策、面接及び集団討論など2次試験対策のみ予備校に頼る、といった部分的な予備校利用を絡めた戦略も非常に効率的です(コスト面でも)。

こういった柔軟性のある学習の進め方が、公務員試験合格への最短経路でしょう。

さて、もう結論を述べてしまった訳ですが、それでも判断に困るといった超慎重派のみなさんのために、「予備校か?独学か?」を選択する上での参考として、予備校利用と独学、それぞれの長所・短所をあげながら詳しく解説いたしましょう。

室長
室長

コラム記事のくせにやたらと長文なので、既に予備校生である方や独学のプロなどという方は、以下の記事は気分転換程度に読んでください。時間がもったいないですから。

予備校の長所・短所

まずは、予備校利用の長所についてみていきましょう。

予備校の長所
  • 合格実績のあるカリキュラムに沿って効率よく学習できる
  • カリキュラムがあるため勉強のペースメーカーになる
  • 試験に関する最新の情報を予備校が提供してくれる
  • 専門講師や同じ志を持つ友達に刺激を受けたり相談できる
  • 記述試験の添削や面接指導・模擬面接が受けられる
  • 本科生(コース生)なら自習室が使い放題

やはり予備校のいいところは、「公務員試験???」みたいな初学者の方がスムーズに試験勉強に入ることができるということです。

大学入試センター試験が子供のおままごとに思えるほど膨大な出題範囲を誇る公務員試験ですが、予備校のカリキュラムが終わる頃には必要科目の学習をひととおり網羅しているという、独学には無いお任せシステムがオイシイ点でしょう。

また、予備校講師が各科目の重要ポイントを教えてくれるという点も見逃せません。独学で学習を進める場合でもいずれはわかってくる重要ポイントですが、予備校の場合は最新傾向に沿って効果的に重要ポイントを教えてくれます。つまり無駄を省いてくれる訳ですね。

そして、予備校利用の最も大きなメリットだと思われるのが、勉強に集中できる環境、そしてそれを本番まで継続しやすい環境を得られるという点です。

独学の一番高いハードルは「本番まで勉強を継続するための環境」です。強制力のない環境で、自分を律して根性や気合だけで半年から1年間という期間、勉強に対する集中力を継続するのは非常に難しいと思います。

予備校に通うことで、高い受講料を払ったのだから頑張ろう、という気持ちや、周りの受験生が頑張っているから負けないように頑張ろう、という、勉強に対する強制力を自らに課すことができます。

また、講師や予備校友達と相談や情報交換が可能な点や、同じ目標に向かって勉強している人たちと同じ空間で朝から夜まで自由に利用できる自習室といった環境も、非常に魅力的です。

さらに、論文などの記述式試験や、筆記試験合格後の面接や集団討論といった人物試験対策については、本番を想定した模擬的な対策が非常に重要なのですが、予備校を利用せずそういった対策を図ることは容易ではありません。

予備校の本科生(コース生)であれば、追加料金無しで何度でも論作文の添削指導や面接指導・模擬面接が受けられるといったメリットがあります。

以上のように、もう「つべこべ言わず予備校行っとけ!」と言いたくなるほど、予備校へ通うことのメリットはたくさんありますが、長所もあれば、短所もあります。

予備校の短所
  • お金がかかる(有名予備校の大卒程度公務員コースで30~35万円ぐらい)
  • カリキュラムに縛られるため、勉強の自由度が少ない
  • 使う参考書や問題集が決まっており、選択の余地が少ない
  • 講師に当たり外れが有る
  • 自宅から予備校までの往復時間がかかる

公務員予備校の利用を躊躇する最も大きな理由として考えられるのが、やはりお金の問題、高い受講料です。

通学と通信の両講座を展開する大手公務員予備校3社の、国家一般職・地方上級を目指すスタンダードなコース受講料は以下のとおりです。(いずれも2019年度現在)

TAC/総合本科生コース(税込・入会金込み)
  • 354,000円《通学(教室講座 or DVDブース)》
  • 357,000円《通信(Web+音声DL通信講座)》
LEC/スペシャルコース(税込・入学金込み)
  • 324,000円《通学(Web+音声DLフォロー付)》
  • 314,000円《通信(Web+音声DL)》
資格の大原/公務員合格コース(税込・入学金込み)
  • 355,000円《通学(教室 or 映像)》
  • 335,000円《通信(Web)》

最大で2万円程度の割引制度がありますが、それでも30万円以上の資金が必要になります。公務員になれば1年目ですぐにペイできる金額ですが、学生にとってはビッグ・マネーです。考えたくありませんが、採用試験に失敗したときのダメージが大きいので、躊躇するのは当然です。

また、資金面の負担に並ぶ予備校利用のデメリットが、勉強の自由度が少ないという点です。まず参考書や問題集はその予備校のものを使うことになります。テキスト選びの面倒が省ける、という風にメリットととらえることもできますが、科目によっては予備校のテキストより市販のテキストの方が明らかに優れているものもあるので、テキスト選びが制限されるのは学習効率の点でマイナスです。

また、予備校は試験直前期までカリキュラムが入っているケースが多く、苦手科目の復習や問題集の反復等の柔軟な勉強スタイルが必要な試験直前期において、自分の自由な時間がなかなか取れないという状況は人によっては障害となります。

さらに、講師には様々な人がいるので、いまひとつの講師に当たった場合は貴重なお金と時間をロスすることになり、これも予備校のリスクのひとつでしょう。もちろん、事前調査によりこのリスクは回避できますので、大きなデメリットとは言えません。

他にも、予備校に頼りきりになってしまい授業を受けっぱなし状態とか、予備校での滞在時間の大半を予備校友達との楽しいトークに使ってしまっているとか、予備校で彼女(彼氏)ができてしまった、勉強が手につかん!などという、けしからぬケースも予備校におけるリスクなので、そういった点も注意すべきところです。

独学の長所・短所

次に独学の長所を見ていきます。

独学の長所
  • お金があまりかからない
  • 自分好みのテキスト選びが可能
  • 自分の思い通りに時間を使える
  • 要領さえ掴めば予備校より勉強進度を早めることが可能

まず、やはりコストパフォーマンスが独学最大のメリットです。例えば、本サイトで示す学習1年計画で使うすべての参考書・問題集を新品で購入しても、かかる費用としては8万円ぐらいで済みます。(それでもこれぐらいはかかるわけですけど)

公務員予備校の模試をたくさん受けたとしても全部で10万円程度には収まるでしょう。予備校の3分の1ほどの費用で済むことになります。

また、カリキュラムに縛られることがありませんから、テキストも自分の思い通りにそろえることができるし、勉強時間も自分の好きなように設定できます。勉強慣れしている要領がいい人にとっては、予備校に通うよりも効果的な学習が可能となるでしょう。

実際、試験本番までにあまり時間的余裕が無い場合には、予備校に通ってカリキュラムに沿って他人と同じ進度で勉強を進めるよりも、学習要領を短時間で掴む努力をして集中的に対策を行えば、独学の方が予備校に通うよりも早く合格レベルに達することができる場合もあります。

なお、そもそも本番までに半年も猶予がない方の場合は、その期間に応じた最適な予備校カリキュラムが存在しないため、効率性を追求した独学型対策しか選択肢がありません。(そういう追い込まれた方は当サイトを1日で読み終えて死ぬ気で頑張ってください♪)

では短所を見てみましょう。

独学の短所
  • 試験に関する情報等は全て自力で集めなければならない
  • 初学者は何から始めていいかわからず、試験勉強開始時につまずきやすい
  • 計画性、集中力、自己管理力に乏しい人は、勉強を継続できない

独学は何よりテキスト選びから試験内容、勉強方法など、公務員試験に係る様々な情報を、全て自分で集める必要があります。少しでも積極性に欠ける人は、予備校で情報を入手している予備校生に比べ、やはり情報量で大きく差をつけられることになります。

そうすると、当然勉強のスタート時につまずく可能性も大きくなり、また学習の要領を掴むまでに多くの時間を費やすことになります。

逆に言えば、とにかく熱意を持ってあらゆる手段を用いて積極的に情報収集を行えば、予備校生と同等あるいはそれ以上の情報を手にいれることも可能なので、この点は独学であっても努力次第でカバーすることができます。

そして、独学の最大のデメリットは、予備校のメリットの裏返し、つまり「環境面」です。計画性及び集中力の無い方にとっては、独学での公務員試験合格はまずムリです。よほど追い詰められている状況でもない限り、気持ちが長続きしません。

予備校のメリットについて説明しましたとおり、予備校生であれば気持ちが弱まってきてもある程度の水準で学習を続けることができる環境にありますが、独学の場合は完全に自分の裁量で勉強を進める訳ですから、勉強の進み具合についても全てその人個人の意思に左右されます。誘惑の多い環境にいる場合は特に、自己管理能力が弱いと学力を高めることができないでしょう。

予備校か独学か。つまるところは?

まとめに入ります。ひと昔前に比べ、書籍やWEBで公務員試験に関する充実した情報が得られるようになった現在では、独学で勉強し易くなったというのは事実です。しかし、大卒程度公務員試験に限っていえば、依然として、最終合格者の多くが元予備校生であるというのも事実です。

主事
主事

ちなみに、僕の知人には平成生まれの方込みで現役公務員が何十人もいますが、ほぼ独学のみで国家一般職・地方上級公務員試験に最終合格した人は、直接聞いた方も含めて体感で3割以下です。

具体的には、司法試験の合格を目指していたロースクール出身者や、有名国立大学の法学部出身の人たちは、独学でも筆記試験で苦労することはなかったようです。

なお、教養試験のみが課される市役所採用試験や高卒程度の公務員試験であれば、独学のハードルはもっと下がるでしょう。

例えば、「大卒レベルの公務員試験に強い」を自負しているTACのホームページで、合格実績に関する興味深い情報があります。

というのは、2018年度の東京都Ⅰ類B(行政/一般方式)採用試験における最終合格者421名のうち、45.8%にあたる193名がTACの公務員講座生(単科や模試利用のみの人を除いたコース生)という事実です。

あくまで東京都Ⅰ類Bの話ではありますが、TAC生のみでこの数字なので、その他予備校生の合格者数も考慮すれば、大半の合格者が予備校利用者であることが容易に想像できます。

模試を含めると、このレベルの公務員採用試験に予備校を全く利用せずに合格する人なんてほとんどいないと思います。独学一本で合格できるような人は、生まれつき勉強の才能がある人か、超ラッキー野朗か宇宙人ぐらいです。そういう人たちは参考になりません。

そもそも独学で勉強を始めることに自信を持っている受験者層なんてものは少数で、はっきり言って初学者にとっては独学というのは非常にハードルが高いということです。自己投資という観点でお金を出すことに抵抗が少なく、時間的猶予があるなら予備校に通うのが無難です。

室長
室長

独学を推奨する書籍やサイトでは、「予備校や専門学校や通信教育なんて必要ない!」などと言い切っているケースもありますが、騙されてはいけません。

さて、独学受験を前提とした内容を扱っている本サイトを全否定するかのごとく記事になりつつありますが、念のために申しますと、CEPO☆公務員試験対策室は独学者を応援しています

公務員を目指す皆さんには、いろいろな事情や環境があると思います。予備校に通いたくても通えない方は必ずいると思いますし、そういう「独学でも合格したい!」という人のためのサイトです。

本サイトは、そういうみなさまのために、公務員試験対策のハードルを下げるコンテンツを提供しているつもりです。

独学で公務員試験に合格するのは簡単ではありませんが、絶対に合格したい!公務員になりたい!という強い意志を持っている人なら、当サイトをはじめ多くの情報源から有用な情報を仕入れることで、予備校や専門学校で高いお金を払わずとも、最小限の投資で絶対合格できます。

当サイトでクドいぐらい繰り返し主張していることですが、結局、「公務員になりたい」という強い気持ちが、公務員試験合格への一番の近道です。

ということで、「予備校か独学か」についてのコラムは以上で終わりです。予備校に通われる方も、独学で合格を目指すと決められた方も、公務員試験最終合格という目標に向かってとにかく夢と希望を持って必死に頑張りましょう!

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