文章理解(現代文、古文・漢文、英語)

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文章理解 一般知能科目

教養試験の一般知能分野で出題される文章理解は、現代文、古文・漢文、英語からなり、各種公務員試験の教養試験において10問前後必須で出題されます。内容合致や文章整除、空欄補充という問題形式が一般的です。

出題数内訳は、国家一般職では現代文が6問、英文が5問で、古文・漢文の出題はありません。

地方上級においては、全国型、関東型、中部・北陸型のいずれも現代文3~4問、英文5問の出題で、古文は1問出題される年と全く出題されない年があります。

漢文は近年どの公務員試験でも出題がなく、古文も地方上級で1問出題される可能性があるのみです。つまり、文章理解は現代文と英文が勝負です。

全問必須回答であり、かつ数的処理の科目に次いで出題数が多い科目であるにもかかわらず、文章理解については全く対策せずに本試験に臨む受験生がいますが、得策ではありません。

文章理解は多くの受験生が堅実に得点してくるため、この科目で失点を重ねてしまうと他の科目に負担をかけることになり、結果的に他の受験生に差をつけられる恐れが大きくなります。

よほど現代文や英語に自信があるといった受験生は別ですが、現代文や英文から離れて生活していた受験生は、高校時代に得意科目であったとしても、ある程度の対策をしなければ本番で痛い目を見ることになります

主事
主事

それほど時間をかける必要は無いので、以下に示す学習法で、本番で失敗しない程度には訓練しておきましょう。

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現代文

科目概要 …抜本的な対策は難しい

この科目は、できる人はできるし、できない人はできないという代表的な科目であるため、公務員試験においては今さら抜本的な対策なんて考えないようにします。現代文にあまり勉強時間を割くこともできないでしょう。よってお勧め参考書も特に有りません。

かといって、何もしなくてもいいという訳ではありません。不得意な人はもちろん、得意な人であっても、「短時間で文章を読み選択肢を切る」という作業を本試験で円滑に進めることができる程度には、頭を現代文に慣らしておく必要があります。

学習法 …勘が鈍らない程度に継続的に取り組む。1〜3日に1題で十分

対策としては、新スーパー過去問ゼミに収録されている現代文の過去問を、苦手な人は毎日1題、得意な人は3日に1題程度のペースでいいので、本番まで自力で解き続けるという作業で十分です。スー過去を全部解いてしまったら、あまり同じ問題を繰り返し学習する科目でもないので、間違えた問題だけもう一度自力で解くか、新しい問題集に移るのもいいでしょう。

覚える科目ではなく考える科目なので、先に答えを見ずにとにかく自力で解くことが重要です。1問程度数分で解き終えることができるので、面倒くさがらず地道に毎日解いて、本番用に体を慣らしておきましょう。

なお、文章理解全般の問題の解き方ですが、時間を節約するために、先に選択肢を読んで、その内容をある程度頭に残したまま本文を読み、そして選択肢を絞りに入る、といった方法がお勧めです。

また、文章理解に限ったことではありませんが、計算を要する科目を除けば、多肢選択式問題を解く場合はやはり消去法が原則です。設問の選択肢の中には明らかに間違っている選択肢が必ずいくつかあるので、それらの選択肢を切って、2択まで絞って、回答を選ぶ、というのが最もミスの少ない解き方でしょう。

こういった誤答を落とすテクニックは、いくつも問題を解いていれば次第に身に付いてくるものであり、何度も言うように、地道な学習こそがマーク式試験の最短攻略法です。

古文・漢文

漢文は国家一般職・地方上級では出題がありませんので、勉強する必要はありません

古文は地方上級で1問出題される年があり、内容把握の設問が一般的です。難易度は高くありませんが、確実に1点を取るにはある程度の勉強時間が必要となります。

そもそも出題されるかどうかわからない教養試験の1点のために貴重な勉強時間の多くを費やすのは得策とはいえないので、古文も捨てましょう

古文も漢文も本番では勘で勝負です。

英語

科目概要 …長文に慣れることが大切

英語はまだ現代文よりも対策のしようがあります。公務員試験の教養試験における英語は、内容合致や文章整除、空欄補充といった、要するに英文読解問題がほとんどです。よって、英文さえ解釈できれば、選択肢のレベルは現代文よりもずっと低いので、長文に慣れる練習さえしておけば得点しやすい科目であるといえます。

お勧め参考書

速読速聴・英単語 Core1900(Z会)

英文を読み聞きしながら重要単語を覚えるという「文脈主義」をコンセプトとしているZ会の英単語学習本。TOEIC600~800点台、英検2級~準1級レベル。ヒヤリング用のCDが2枚同梱されています。

重要英単語を多く含む英文を読むことで、単語力や熟語力のみならず、英文読解力を養うことができる本書は、TOEIC等受験者の間でも非常に高い評価を得ています。

掲載されている英文は実際の英字新聞の記事など時事的なものが中心で、時事的要素が強い傾向にある公務員試験の英語対策には非常に適しており、何より読み応えがあるため読んでいて飽きません。

ヒヤリング用のCDも有効活用しましょう。公務員試験では英語のヒヤリングテストはありませんが、五感を使って脳を刺激ながら行う学習は、記憶力を増強させるといいます。よって、本書の英文を読むことに慣れてきたら、英文を目で追うだけでなく、耳で聞きながら、また声を出しながら本書を読み進めていくことで、より効率的に学習を進めることができるし、気分転換にもなります。

本番までに本書を読み込めば、公務員試験の英語は概ね攻略できます

なお、本書はレベルの低い順に「Basic」、「Daily」、「Core」、「Business」、「Advanced」の5種類有りますが、国家一般職・地方上級レベルの公務員試験の英語対策としてはここで紹介する「Core」が内容・レベルともに最も適切です。

Coreが物足りない人は、本書のBusinessやAdvancedよりも、別途紹介している速読英単語の上級編を使うことをお勧めします。

速読英単語(2)上級編(Z会)

大学受験用英単語集のベストセラー、Z会出版の「速読英単語シリーズ」の上級編です。

見開きで英文と和訳があり、次のページに重要単語の確認があるといった構成。速読速聴英単語と似ていますが、速読速聴英単語より少し本のサイズが小さく、リスニングCDは別売りとなっています。

この速読英単語上級編は難関大学入試レベルとされていますが、速読速聴英単語の「Core」より英文、単語ともに難易度が上です。というか、こんな難しい英単語は公務員試験でもあまり出てきませんので、英単語対策用としては本書は微妙です。

しかし、英文解釈力を養うという意味では、本書は速読速聴英単語Coreより優れています。英文が長い上に難単語が多いため、本書を読み込むことで、英文内に未知語があったとしても文脈から単語の意味を予測する力が養われます。

ある程度単語力に自信がある受験生は、本書の英文を何度も読み込んだ方が、国家一般職・地方上級レベルの公務員試験の英語に確実に対応できるようになります。

このレベルの英文をスラスラ解釈できるようになれば、英文法の学習も加えることで、国家一般職の専門科目の英語も十分対応できるようになります。 

英語に自信がある人や、「速読速聴英単語」が気に食わない受験生の方には、是非本書をお勧めいたします。

なお、本書はここで紹介している「上級編」の他に、「入門編」(高校入試・高1英語レベル)と「必修編」(大学入試センター試験、中堅大学入試レベル)があります。

「必修編」は市役所や高卒程度国家一般職受験者には最もお勧めできるレベルですが、国家一般職・地方上級の英語対策用としてはやや心許ないかと思われます。

参考程度に、速読速聴英単語と速読英単語の難易度の順番は、

速読速聴Basic≒速読英単語入門編<速読英単語必修編<速読速聴Core<速読英単語上級編<速読速聴Advanceといったところでしょうか。

学習法 …1日1題でもいいから英文を読め

具体的な学習法としては、本書で紹介している参考書を、毎日2テーマずつぐらい読み、それを受験日までひたすら繰り返すという方法を推奨します。英文の和訳をノートに書く、などといった時間と労力を無駄に削る行為は絶対しないように。和訳を先に読み、内容を頭に置きながら英文を読む(音読であればなおよし)という作業を、ひたすら毎日続けるのです。

例えば速読英単語上級編なら全部で50テーマ程度ですから、毎日2テーマずつ読むと1ヶ月で1周読み終えます。受験日まで半年以上猶予があれば最低6周はできるわけですから、本試験を受ける頃には、単語力はもちろん、かなりの英文読解能力が備わっていることは間違いありません。

英語は、同じ英文を繰り返し読むという作業が非常に効果的です。文脈といっしょに用語の意味を認識できるので単語や熟語も覚えやすいし、長文を読むことに次第に慣れて、文脈から未知の単語の意味を推測する能力も養われます。

英語は、この英文を毎日読むという作業さえしていれば、無理に英語の過去問を毎日解く必要もありません。あくまで出題形式に慣れるということを目的に、過去問等の問題を解くのは5日に1問だとか、10日に1問だとか、気が向いたときにやるぐらいで十分です。

最初の頃は2テーマ読むのもなかなか大変ですが、慣れるにつれペースは上がって行きます。時間がなくても1日1題でもいいので必ず毎日英語に触れておくこと。公務員試験では4,5問出題される英語ですから、これぐらいはやって当然。英語を得点源にしてしまいましょう。

なお、国家一般職の専門試験で英語を選択する場合は、別途英文法の学習を行う必要があります。ただ、国家一般職専門試験の英語は出題される長文がやたらと長く、難易度が高いので、少し英語ができるぐらいでは安易に選択しない方が無難です。

攻略ポイント

現代文は「スー過去」で地道に学習、英語は「速読速聴」を読み続ける

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