人文科学(思想、文学・芸術、日本史、世界史、地理)

人文科学 教養科目対策

人文科学日本史、世界史、地理、思想、文学・芸術からなり、国家一般職では文学・芸術を除きそれぞれ1問、地方上級では思想以外の各科目から2問前後出題されます。

公務員試験の中でも出題範囲の広さはダントツの科目群ですが、出題数はそれぞれたった2問程度。出題レベルは基礎的なものがほとんどで、大学入試センター試験レベルの知識があれば十分得点できますが、センター試験レベルの対策でも膨大な時間がかかります。

よって重要なのは取捨選択。全部学習しようとしたら時間がいくらあっても足りないので、捨てる科目はバッサリ捨てて、選択する科目についても頻出分野を重点的に学習するなど、人文科学の学習には潔さと工夫が重要です。

「人文科学はどの科目を捨てて、どの科目を選択したらいいのか?」については、まず常識的に考えて、「高校時代に専攻したか、していないか」が第一の判断基準となるでしょう。

大学受験を終えて数年も経つと脳内から知識が吹っ飛んでしまっている受験生もいるかと思いますが、一度学習したことがあるかないかでは全然違います。

次に、自然科学で得点できるかどうか、が第二の判断基準です。理系の方などで、自然科学で当然のように得点できる自信がある受験生は、人文科学を5科目中3科目捨てても戦えます。

主事
主事

極端に言えば、自然科学で満点を狙えるのであれば、人文科学を全て捨てても合格は可能です。

逆に、自然科学で得点力を確保できない受験生は、人文科学で捨てることのできる科目はせいぜい2科目。原則捨てる科目についても頻出ポイントだけは押さえるなど、人文科学対策に時間を取られるのはやむを得ません。

選択例としては、まず範囲が広い日本史、世界史、地理の3科目は、全て学習するのはかなり負担が大きいため、2科目選択が一般的。大学受験時の専攻科目+1科目といった感じですね。

次に、思想は可能な限り学習すること。思想は国家一般職で1問のみ出題というやはり捨てたくなる科目ですが、それほど学習時間をかけずとも得点できる科目であることを考えれば、理系・文系を問わず、この科目は学習すべきです。国家一般職では日本史や世界史と同様の1問出題なので、時間対効果を考えればおいしい科目だといえます。地方上級専願の人は出題が無いのでもちろん無視で構いません。

そして地方上級で1問出るか出ないかの文学・芸術については、自然科学が絶望的な受験生は要検討ですが、時間が無い人は躊躇せず捨てること。時間対効果が悪い科目です。

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日本史、世界史

科目概要 …膨大な暗記量が求められる

公務員試験における歴史科目の出題レベルは高校の教科書レベルとはいえ、どちらも膨大な知識量を誇る科目です。

特に世界史は、国・地域ごとの「縦の歴史」の学習と同時に、世界史全体の流れを時代ごとに捉える「横の歴史」を学習しないといけないので(同時代における各国の動きの対比など)、全体像を把握するのに非常に時間がかかります

日本史は世界史よりはまだ学習しやすいですが、それでも覚えないといけないことが非常に多いので、初めて学習する人はかなり抵抗があると思います。

ただ、日本史と世界史の知識は、思想・文芸など他の人文科学科目や、専門試験における国際関係等の行政系科目の学習時に役立ちます。よって、他の科目でしっかり得点できるのであれば捨てる選択肢も有りかと思いますが、公務員試験にはある程度出題範囲に傾向があるため、時間がない受験生でも頻出分野に絞って対策するなど、最低限の対策はした方がいいでしょう。

例えば、日本史も世界史も、近現代、特に直近150年程度の間の出来事が出題の大部分を占めるため、その範囲を集中的に対策することで、本番で半分程度は正答できる可能性があります。受ける公務員試験の頻出ポイントを過去問集等で確認して、そこを重点的に学習しましょう。

お勧め参考書

読むだけですっきりわかる日本史(宝島社)

読むだけですっきりわかる世界史(宝島社)

日本史や世界史の知識習得には、大学受験用参考書が最も有用です。しかし、公務員試験で出題される一般知識のレベルは、大学受験のそれよりもっと一般常識的なレベルであるため、大学受験用の参考書は公務員試験受験用としてはオーバースペックであることも事実です。

そういう意味では、教養科目であっても、専門科目と同じく学習のメインは公務員試験用の問題集にして、その前段階として科目の全体像が把握できる程度の知識整理本を使うのが効率の良い学習法と言えるでしょう。

そして、公務員試験における日本史や世界史の学習は、「まず歴史のおおまかな流れを掴む→公務員試験過去問集で問題演習→記憶本で知識の維持」がお勧めスタイル。本書はその最初のステップに使えます。歴史を概観する上では十分な内容で、1冊3日あれば十分読みきることができます。

ただし、図や写真などのビジュアル的な要素が薄く、基本的には事実の羅列が続く内容となっているので、初学者が一読で歴史の全体像を把握できるかは微妙なのも事実。どのページからでも読めるため、公務員試験の頻出分野に絞って読むなど、状況に応じて使い方を工夫する必要があります。

上・中級公務員試験 新・光速マスター 人文科学(実務教育出版)

人文科学全科目が1冊に詰め込まれた要点整理集。公務員試験人文科学の頻出テーマ・事項が厳選され、コンパクトにまとめられています。

科目別にまとめた1問1答形式の「スコアアタック」で理解度を確認できるほか、重要箇所が一目でわかる2色刷で、赤字を隠して覚える「暗記用フィルムシート」つき。

本書のような要点整理本は歴史の流れや全体像を把握するには不向きなため、初学者がいきなり本書で人文科学を学習しようとしても、理解が伴わない暗記作業となり非常に非効率です。

一方で、既に人文科学の学習がある程度進んで知識が整理されている受験生にとっては、膨大な知識を重要事項に絞ってコンパクトにまとめた本書は、記憶の定着と維持という目的には有用です。

つまり、本書は公務員試験人文科学対策の最終段階で、知識の整理と復習に使うべきテキスト。結局最後は暗記作業なので、てっとり早く要点確認するのにこの本は最適です。

学習法  …まずは全体の流れを掴め

日本史、世界史の学習方法としては、まず読むだけですっきりわかるシリーズを時間をかけず一気に読んで、歴史の流れをザッと掴みます。頻出分野に偏りがあるとはいえ、歴史の全体的な流れを把握していないと設問の選択肢を絞ることが困難なので、この作業は欠かせません。

大学受験時に一通り勉強したことのある受験生であっても、忘れている部分がかなりあると思うので、可能な限り問題集の前にこういった知識整理本を使って、歴史の流れを「思い出し」ましょう。

次に、問題演習により公務員試験に出る分野を確認し、頭に入れる作業です。使う過去問集は、「新スーパー過去問ゼミ」よりも「公務員試験 過去問 新クイックマスター」がお勧め。人文科学の全科目を1冊に詰め込んでいる「スー過去」よりも、「クイマス」のほうが収録問題数も多く、解説が詳しいからです。「クイマス」で何回も復習して、時間の許す限り知識を詰め込みましょう。

本試験が近付いて来る頃にはかなり知識が定着して来ていると思いますが、残り時間が少なくなってくると、過去問集での復習は時間的に非効率になります。ここで、上・中級公務員試験光速マスター人文科学の出番です。暗記した知識の整理と維持のため、本書を使って本番まで要点確認をひたすら繰り返すこと。

これだけやれば本試験で得点できるようになるとは思いますが、そもそも歴史科目が得意だった人は、もっと労力を抑えることができると思います。いずれにしろ、歴史科目の学習は負担が大きいことは事実なので、捨てる人は捨てる、選択する人はポイントを絞って学習するなど、時間と相談して最小限の労力で対策するようにしましょう。

地理

科目概要 …単なる暗記科目ではない

地理の問題を解くにはコツがいります。日本史や世界史に比べれば暗記量は絶対的に少ないのですが、単に用語を暗記しただけでは問題が解けないのは、地理を専攻したことのある受験生なら解ると思います。例えば産業の問題を解く際には、その国の位置、そして地形や気候や歴史まで考えなければいけない等、絡み合う知識を総動員して解くのが地理の特徴です。

単に記憶した知識を吐き出すだけではなく、記憶した知識を用いて「思考する」必要があると言う点が、他の人文科学科目と異なる点です。慣れるまでやや時間がかかるため、選択には慎重になるべきです。

気候問題のほか、各国の地理事情や日本の地理が頻出項目なので、地理を選択する場合はこれら公務員試験で出そうな分野を重点的に学習しましょう。

お勧め参考書

センター試験 地理Bの点数が面白いほどとれる本(中経出版)

図表やイラストを交えながら、講義口調でセンター試験地理をとことん解説してくれるセンター試験対策用参考書。2年に一度ぐらいの頻度で改訂され、最新の地理データが掲載されています。

地理は単なる暗記科目とはやや異なるため、地理的思考力を鍛えるには大学受験用の参考書を使わざるを得ません。本書は500ページと分厚く、公務員試験で出題されない細かい知識も多く含まれていますが、情報を取捨選択して使えば、これほど解りやすく、地理的思考力を身につけることのできる参考書は今のところありません。

練習問題も付いていますが、本書はあくまで導入本。その気になれば数日以内に読み終えることができるため、地図帳を片手に本書で地理の勘を培ってから、問題演習の繰り返しにより得点力を養いましょう。

学習法 …暗記はもちろん、解法のパターンをつかむことが得点につながる

地理を学習するには、大学受験用の参考書がベストです。そして、学習中に国の位置関係や地形を確認するためにも、必ず最新の地図帳が必要です。

参考書には「センター試験地理Bの点数が面白いほどとれる本」を使います。時間があれば本書をきっちり読み終えてから過去問演習で構いませんが、余裕がなければまず過去問集で頻出論点を確認してから、その分野に絞って面白いほどとれる本を読みましょう。

使う過去問集は、日本史・世界史と同じく「クイマス」です。時間があれば、試験直前期には地図帳を片手に光速マスターで要点整理です。

地理については以上ですが、記述のとおり、初学者が地理をまともに勉強しようとしたら、歴史科目ほどではないにしてもかなり時間がかかります。大学受験時に地理を専攻しており、地理の勘があまり鈍っていない受験生はいきなり過去問演習から始めても問題ないかと思われますが、それ以外の人は参考書で勉強しないといけない分負担がかかります。

歴史科目が得意な人は無理に地理に手を出す必要は無いですが、自然科学で得点できない場合は勉強せざるを得ないかと思います。慣れてくると急に得点できるようになるので、辛抱強く演習を続けましょう。

思想、文学・芸術

科目概要 …ひたすら暗記。捨てるとしても1科目まで

これぞ暗記科目です。人物名、著作名、作品名など、キーワードの組み合わせで正誤を問う出題形式が一般的です。国家一般職・地方上級レベルではそれほど難解な出題はされませんが、年によっては思想内容に踏み込んだ出題や知名度の低い人物名・作品名が問われるなど、難易度にはバラツキがあります。  

お勧め参考書

思想も文学・芸術も暗記がメインなので理解本などは有りません。例に漏れず過去問演習がメインですが、導入時の暗記作業と知識の整理及び復習には「上・中級公務員試験 新・光速マスター 人文科学」が有用です。

学習法 …暗記→過去問→暗記の繰り返し

最初は光速マスター人文科学で人物名やキーワードをひたすら覚える作業です。概ね暗記作業が済んだら、「クイマス」で最新の傾向を確認し、繰り返しの演習で記憶を定着させましょう。クイマスを何回か復習したら再び光速マスターで暗記事項の整理・復習作業。これを本試験まで続ければOKです。

これら科目は一般的に地方上級よりも国家一般職試験の方が難易度は高く、キーワードの暗記だけでは解けない問題もありますが、難易度が高過ぎる設問はどの受験生も得点できないので、気にする必要はありません。

光速マスターとクイマスさえ押さえておけば、普通レベルの設問であれば本試験で正答を選べる水準まで達するので、無理に手を広げずに地道に暗記作業を繰り返しましょう。

主事
主事

地方上級全国型が本命の方は、思想と文学・芸術のいずれも出題数が0なので、もちろん両方とも捨てましょう。

攻略ポイント

人文科学は暗記量が膨大。捨てる、絞ることを念頭に対策を

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