行政法

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行政手続 専門科目対策
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科目概要 …地方上級の法律系科目で最も配点が高い

行政法は地方上級試験における法律系科目の中で最も配点が高い科目であり、国家一般職試験においても憲法と同じく受験生は必ず勉強してくる重要科目です。

分量は憲法よりも多く民法よりも少ないといったところですが、行政法は行政手続法やら行政事件訴訟法やら情報公開法やらの様々な法律を寄せ集めたやや複雑な科目なので、憲法や民法に比べ体系的に捕らえ難く、なんだか勉強しにくく感じることでしょう。

しかし、行政法も結局は過去問集を潰し込めば勝手に力はついてきます。学習法については後で詳しく述べますが、この科目も条文を読むだけではなかなか頭に入って来ませんので、問題を解きながら行政法に関する各種用語の定義や条文の理解を深めることが、効率的な学習法だと言えます。

また、行政法は憲法と同じく判例がものすごく重要です。判例に関する問題が試験でやたらと出るというのもありますが、判例という具体的な事例を意識しながら学習を進めることで、行政法というものをスムーズに理解できるからです。

なお余談ですが、「行政法」という名前の法律は存在しません。理系出身で初学者の方等でまだ法律という法律を勉強したことのない人は、「?」かもしれませんが、端的に言えば、行政法とは「行政に関する法律の総称」といったところでしょうか。

主事
主事

行政法は、民法や刑法のような同系列の法規を組織的に組み立てた成文法規集ではなく、行政の組織や作用に関する無数の法律(地方自治法、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法等々多数)及び判例等から成り立っています。

お勧め参考書

新谷一郎の行政法まるごと講義生中継(TAC出版)

TACによる衛星講座用に収録した講義をもとに刊行された講義調参考書で、「まるごと講義生中継」シリーズの行政法編です。問題は載っていません。

具体例を交えて専門用語の定義やイメージを優しく説明してくれるので、「行政法とは何なのか」を知る上では非常に有用な理解本だと思います。

ページ数も多過ぎない程度で、初学者の導入本としてはコレが一番オススメです。体系的に学びにくい行政法は、憲法とは違っていきなり過去問集はキツイ。最初に本書で行政法の何たるかを一通り頭に入れておくことで、過去問演習がスムーズになります。

独学+初学であれば、本書は必携。

学習法 …判例中心で覚える

既に述べたとおり、初学者にとって行政法は「いきなり過去問集から」が通用しにくい科目です。紹介した導入本を数日間で一気読みして、「行政法ってこんな感じなんだ」というのがぼんやりでもいいから解ればスタートとしては概ねOKでしょう。

では、行政法の過去問集はどれを使えばいいかというと、行政法に限っては、1冊目に使う問題集として新スーパー過去問ゼミをお勧めするわけにはいきません。「スー過去」行政法に掲載されている過去問は、厳選されており良問が揃っていますが、同シリーズの他の科目に比べると、解説がやや淡白です。行政法という科目について知識が薄い段階で「スー過去」を使うと、行政法が大嫌いになります。

したがって、行政法で使用する本および学習法については、受験生の性質や状況によって、下記①~③の3パターンを提案します。

①「初学者」かつ「時間に比較的余裕がある」人

 →「まる生」→「過去問セレクト」→「スー過去」(受験まで何周もやる)

法学部以外の文系出身者や理系学部出身であるなど、行政法を初めて学習する人で、本試験まで1年程度の猶予がある人は、先述の「まる生」を読んだあとは、「公務員試験 出るとこ過去問」行政法を3周すること。その後「スー過去」行政法に移行してください。

「まる生」で行政法のイメージをつかみ、良問揃いで学習しやすい「出るとこ過去問」で重要論点を頭に叩き込み、「スー過去」で演習量を確保する、という戦略です。

公務員試験勉強においては、何冊も問題集を潰すより、1冊の問題集を徹底的に潰すほうがずっと効率的だと主張してきましたとおり、行政法もその例に漏れる科目ではありません。

しかし、スー過去行政法のハードルがやや高いという実情を踏まえて、分量も適切で初学者に対して非常に親切な作りとなっている「出るとこ過去問セレクトシリーズ」というクッションを「スー過去」の前に挟むことで、スムーズに行政法の学習を進めるという戦略です。ここまでやれば、間違いなく行政法を得点源にすることができます。

②「初学者」かつ「時間に余裕がない」人

 →「まる生」→「カコモン」または「解きまくり」(受験まで何周もやる)

2つ目のパターン。要するに、「スー過去」を使わないバージョンです。完全に初学者ではあるが、時間的余裕がない人は、導入本を読んだ後は「だから「カコモン」で克服!」行政法か「解きまくり」行政法をとことんやってください。

解説の詳しさ(クドさ?)と網羅性、さらに内容の新しさにおいて「解きまくり」のほうが上です。ただし、ボリュームも一級品であり、やり込むのに時間がかかります。

レジュメの見易さや掲載問題の質など、少し内容が古いですが「カコモン」も非常に優れているため、 本試験までの残り時間と相談してどちらを使うかを決めましょう。高得点を目指すなら、解きまくり一択です。

③「既学者」+「時間に余裕がない」人

 →いきなり「スー過去」(受験まで何周もやる)

そして最後のパターン。法学部出身であったり、行政法に関する知識をある程度備えている人であって、本試験まで時間的余裕がない受験生は、いきなり「スー過去」でいいでしょう。自信のある人は導入本すら必要ありません。

問題集のなかで網羅性では一番の「スー過去」を、本試験まで可能な限り何回も通してください。ただ、既学者であっても、時間に余裕があるのであれば、「スー過去」の前に「出るとこ過去問」を挟むことをお勧めします。よりスムーズに学習を進めることができるはずです。

なお、既学者であっても、「スー過去」が合わない(解説が解りにくい)と感じる方は必ずいると思います。そのような方は「カコモン」か「解きまくり」でOKです。

過去問集の潰し方は憲法とほぼ同じ要領です。判例集も特に必要ありませんが、判例がとても重要ですから、テキストなり過去問集なりに載っている判例は確実に覚えるよう努力してください。

行政法は上記のとおり憲法よりも対策が簡単ではないので、きちんと勉強した受験生とそうでない受験生ではっきりと差がつきます。結局は演習量がものをいうので、過去問集がボロボロになるまで過去問を潰して、行政法を武器にしましょう。

攻略ポイント

判例が大切。最初に使う過去問集選びは慎重に

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