教養論文

記述試験対策
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科目概要

教養論文とは、少子高齢化や環境問題等社会問題に関すること、また地方財政や地方分権等行政一般に関することなど、主に行政課題や時事関連の話題について見解や説明を求められる記述論文試験です。

国税専門官や労働基準監督官等を除く多くの行政職国家公務員試験で出題されるほか、ほとんどの地方公務員行政職採用試験で課されます。

字数は800~1600字程度、テーマは多くない

字数は公務員試験種によって800字~1600字程度と幅広いですが、概ね1200字程度の論文を想定して対策しておくと、どの試験種でも対応できるかと思います。

試験時間も自治体によってばらつきはありますが、60分~90分ぐらいが目安です。

教養論文は、東京都や特別区、国家一般職(行政)など、一次試験で課されるケースと、地方上級で多い二次試験で課されるケースの、二通りがあります。

国家一般職については、論文試験は一次試験合格者の決定には影響せず、あくまで最終合格者決定の際に評定されます。地方上級では一次試験合格者決定時に適用されることもありますが、多くは国家一般職と同様、二次試験以降、最終合格者決定の際に評定されるのが一般的です。

国家一般職では以前は合否判定のみに使われていた論文試験も、平成18年度から得点化されました。といっても、令和元年度現在で配点比率は1/9とされており、多肢選択式できっちり得点すできる人は、足きりラインをかわす程度の無難な論文が書ければ概ね問題ないでしょう。

一方、地方上級については、配点比率を公表している自治体を見ても、教養論文の配点は比較的高い傾向にあり、東京都や特別区に至っては多肢選択式を上回るほど高い配点比率を誇るようです。これら論文の比重が極めて大きいような試験では、他の受験生に差をつける答案を書かなければなりません。

論文の記述には、知識や構成力はもちろん、ある程度の発想力や表現力が要求される訳ですが、発想力や表現力というものは一朝一夕で身に付く能力では無いため、文章作成が苦手な受験生はそこに不安を感じるのだと思います。

しかし、公務員試験の教養論文において、高度な発想力や表現力は必要ありません

評価されるポイントはなにか

公務員試験の教養論文は、もちろん受ける自治体独自のテーマが出題されることもありますが、ある程度頻出テーマが決まっています。

その頻出テーマもせいぜい20テーマぐらいで、すでに社会的にかなり議論されている話題がほとんどであるため、そのテーマに関する発想などは必然的に限られてきます。要するに、課題に対して自分で新たな発想を生み出す余地はあまりありませんし、出題者もそこまで受験生に期待していません。

表現力も、文学小説を書くわけではないので、特別な才能は必要ありません。課題に対する主張を明確かつ正確に記述することができれば、それで十分です。

そこで、公務員試験における教養論文の審査項目は公表されてはいませんが、評価されるであろう重要ポイントを4つほどあげます。

①記述されている内容が正しいか

論述されている知識、内容に間違いがないか、という点です。当たり前ですが、間違ったことを書くとしっかりと減点されます。

②主張が明確で、かつ論理的であるか

主張が首尾一貫していて明確か、そして、接続詞が適切に使われ、論文の基本構造である「序論」(定義、背景、問題提起)、「本論」(論証、具体的展開)、「結論」(意見、見解、まとめ)のように、論理的な文章構成になっているか、といったところです。

③論文としての体裁が整っているか

誤字脱字の有無や段落構成など、文章を書くうえでの最低限のルールが守られているかという点です。いかに内容が優れていても、誤字脱字が多かったり字が汚かったりすると、採点者に与える印象は最悪です。

④文字数が適切か

これも論文の体裁の一つですが、字数制限を守ることは論文試験の絶対ルールです。できる限り制限文字数に近いほうがよいことはもちろん、8割以上書くことが最低条件です。そして、制限文字数を超えてもダメです。論文試験では、限られた時間内に限られた文字数で収める能力も問われているからです。

以上、4つの項目のほかに、他の受験生に差をつけるには発想力や独創性が要求されるわけですが、これらで差をつけるのは困難です。予備校や有用な参考書を利用し、短期間で合格レベルまで持っていくことは可能ですので、以下で記述する学習法を参考に、教養論文を攻略しましょう。

お勧め参考書

全試験対応! 直前でも一発合格! 落とされない小論文(ダイヤモンド社)

「ウェブ小論文塾」を運営する元NHKアナウンサーによる小論文試験対策本。公務員試験、教員試験、大学入試や一般企業の就職・昇任試験等約2000本の小論文試験答案を分析した結果導き出された、「試験で落とされない小論文の書き方」がわかりやすく解説されています。

【第1章】10分でわかる! 小論文の超基本

【第2章】before→afterでわかる! 「12の重大ミス」と改善策

【第3章】前日でも間に合う! 試験別「頻出テーマ」速習表

【第4章】第4章 模範解答例と解答のポイント

という構成の本書は、公務員試験に特化した対策本ではありませんが、全く問題ありません。「公務員試験における小論文では何が求められているか」が、その他の試験と比較してきちんと説明されているため、むしろ公務員試験における小論文の特徴を端的に掴みやすい内容となっています。

第3章の「頻出テーマ」速習表も秀逸で、最新の時事知識を蓄積しながら小論文作成のコツを掴むことができます。

本書を読むことで公務員採用試験における小論文を突破するための最低限のレベルは身に付くので、短期間で教養論文作成のノウハウを掴むには最適な一冊です。

寺本康之の小論文バイブル(エクシア出版)

公務員試験予備校人気講師による公務員試験対策用の小論文攻略本。

公務員試験における23の頻出テーマについて、合格答案例を紹介しながらやさしく解説されており、ビジュアル的にも非常に読みやすい内容となっています。

頻出テーマのチョイス現職公務員の目線から見ても秀逸で、自治体独自のテーマを除けばほぼ最近の行政課題を網羅できています。地方上級を目指す受験生に特におススメできる一冊です。

合格答案例はどちらかと言えば無難な内容であり、独創性や先進性をもった答案を書きたい受験生からすれば少々物足りないと感じるかもしれませんが、国家一般職・地方上級レベルであればむしろこのレベルの答案が正解です。

未だに勘違いしている方が多いようですが、出題者はそもそも、公務員試験受験生に奇をてらったユニークなアイデアを期待していません。

教養論文試験で出題されるテーマというものは、一般的に多くの自治体が現在抱えている行政課題であり、それら課題に対しては各自治体が頭を悩ませながら既に何らかの施策を実施しています。そして、それら行政課題は、簡単に解決できるようなものではありません。

現職公務員でさえ簡単に結論が出せないようなテーマに、一受験生が独創的で即効性のあるアイデアを出すのははっきり言って困難です。もちろん、それができれば高得点ですが、ハードルが高く、リスクを伴います。

国家一般職・地方上級レベルであれば、「小論文作成の基本的なルールと出題テーマに関する論点をきちんと押さえており、論理的な文章が書ければ」それで合格ラインに達するのであり、本書はその目的達成の上で丁度よい教養論文対策本と言えるでしょう。

学習法  …ある程度学習が進んだら実際に書いてみる

教養論文そのものの対策開始時期は、本試験1か月前ぐらいで十分間に合いますが、教養論文を書く上での重要な土台となる「時事に関する知識」については、公務員試験勉強開始初期から常に意識して蓄積することを心掛けてください。

教養論文対策に必要な事項を順に見てゆきます。

①時事の知識を身につける

教養論文も専門記述も、合格答案を書くために必要となる最も重要な要素の一つが、課題に対する「正確な知識」です。

正確な知識は論文における自らの主張の根拠を示す上で不可欠であり、文章に明快さと説得力を持たせることができます。

そして、教養論文で出題されるのは、ほぼ全てが時事に関するテーマです。

日頃から世間の流れに敏感で、テレビやネットに流れる様々な時事話題に対して常に問題意識と自分の意見を持つ習慣がある受験生にとっては、少なくとも知識の点で教養論文に悩まされることは少ないでしょう。

試験直前に時事知識を詰め込む作戦は、可能ですが負担が大きいので、多肢選択式試験の時事対策の際に教養論文のことを念頭におきつつ学習するとともに、新聞や書籍、インターネットにより普段から可能な限り時事情報を収集、分析するよう心掛けてください

主事
主事

多肢選択式試験用時事対策→教養論文対策→面接対策といったように、筆記試験対策で身に着けた時事の知識は人物試験対策で役立ちます。

②論文の書き方のルールを身につける

いわゆる文章の体裁を整えるということですが、論文には、書く上で最低限必要なルールというものがあります。

誤字脱字に気をつけることはもちろん、文体の統一や句読点・カッコの位置、数字の書き方、字数制限など、合格答案を作成する上での最低限守るべきルールは、事前に必ず確認しておきましょう。

③受ける試験の過去の論文出題テーマを把握する

頻出テーマはせいぜい20テーマ程度ですが、特に地方上級試験ではそれぞれの自治体で出題傾向が異なります。社会時事についてのテーマもあれば、その地域の現状に関わる自治体独特のテーマが出題されることもあります。

よって、志望先の試験において過去にどのようなテーマが出題されているのかを確認し、その傾向を踏まえて出題予想テーマをピックアップするとともに、志望先の官公庁の業務や施策を押さえておく必要があります。

④実際に書いて、第三者に見てもらう

記述論文対策において、頻出テーマを全て自力で書きながら覚えるという学習法は、時間対効果を考えると極めて非効率です。

しかし、ある程度学習してから自力で書いた論文を第三者に見てもらい、客観的に評価してもらうという行為は、論文のクオリティ向上の点から見て非常に有効です。

もちろん、本試験同様に制限時間内で書いたものを見てもらわないと意味がありません。

よって、何回も実際に書いて誰かに見てもらう必要はありませんが、本試験までに最低1、2回ぐらいは予備校の模試等で教養論文試験を実際に体験し、採点、添削してもらうことをお勧めします。

⑤学習法まとめ

教養論文の学習法まとめですが、①~③は上記お勧め参考書を使うことで概ねクリアできます。

「落とされない小論文」を読んで論文作成のノウハウと頻出の重要論点を頭に入れてから、公務員試験対策に特化した「小論文バイブル」で合格答案の書き方を実践的に学びましょう

最後に④、予備校の模試等で本試験のシミュレーションをすれば、教養論文対策は完璧です。

なお、論文の配点比率が高い公務員試験を受ける場合は特に、暗記した参考書等の教養論文答案例を本試験でそのまま書くという行為はやめましょう。奇をてらった内容を記述する必要はありませんが、文章構成にある程度の独自性を持たせないと、高得点は期待できません。

あくまで頻出テーマに関する重要論点・キーワードを記憶し、それらを自分の言葉でつなぎ合わせて論理的な文章構成で論文を書けるように準備してください。

攻略ポイント

論文のルールと頻出論点を押さえ、合格答案の書き方を実践的に学ぶ

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