①レジュメ(要点まとめ部分)が付いている
単元ごとにレジュメ(要点まとめ部分)が付いている問題集には3つのメリットがあります。
まず一つ目は、実戦問題に入る前にレジュメでその単元の重要論点とともに単元の概要を把握できるため、問題演習時に論点間のつながりを意識しながら学習できる(体系的に学べる)という点です。
問題演習のみでも各単元における個々の重要論点を学習することは可能ですが、論点間のつながりが捉えにくいため知識が断片的なものになりやすく、組織立った知識や理解が得にくくなる恐れがあります。
組織立った理解や知識が得られなければ学習が滞るし、応用問題に対応しにくくなります。よって、特に参考書等の導入本を挟まず、いきなり問題集から学習を始める科目の場合、問題集にレジュメが付いていることは学習をスムーズに進める上でも得点力を付ける上でも必須条件です。
問題集にレジュメが付いていることのメリットの2つ目は、「レジュメでインプット→問題でアウトプット」という学習ができる点です。
本来問題集というものは、覚えた知識を「アウトプットするための道具」ですが、公務員試験勉強における問題集は、少なくとも1周目は原則として「設問を解く」のではなく「設問を通して覚える」という、あくまで「インプットするための道具」として使うべきであるということを、第2章で説明いたしました。
ただ、経済学等の科目は解いて理解しないと設問が解けるようにならないので、この「レジュメでインプット→問題でアウトプット」の作業が欠かせません。
何より、第3章でも説明しましたように、人の脳は「覚えた直後が最も忘れやすい」性質を持っているため、問題を解く解かないに関わらず、レジュメでインプットした内容をそのあとすぐに設問で「復習」できるという点は、忘却を防ぐという意味でも非常に大きなメリットです。
3つ目のメリットは、試験直前期などに科目の重要論点を一気に復習したい場合、問題集に付いているレジュメが便利だという点です。
要点だけを一気に復習したい場合は、問題による復習は時間がかかって非効率です。重要論点のみをまとめたレジュメがあれば、レジュメだけをザッと読んで要点のみを確認するといった復習方法が可能なので、特に試験直前の追い込み期間等にレジュメが重宝するでしょう。
以上、レジュメの付いている問題集のメリットですが、学習後期の問題演習に使う問題集は、アウトプット重視なので、特にレジュメが付いていることにこだわる必要はありません。
ですが、少なくとも1冊目に使う問題集は、レジュメが付いているものを選びましょう。
②解説が丁寧で解りやすい
「レジュメで要点を把握→設問を読んで試験で問われるポイントを把握→解説を読んで詳細な知識を身につける」というのが学習初期における過去問演習の基本スタイルです。
すなわち、解説が充実していないと、「知識を身につける」という最も重要な作業が疎かになるため、特に1冊目に使う過去問集は、クドイぐらい解説が丁寧で解りやすい問題集を選ぶようにしましょう。
一方で、学習後期に集中演習用として使う問題集は、必要以上に解説が詳しいものを使う必要はありません。その頃はアウトプット中心の学習が重要なので、解説の詳しさよりも収録問題の数と質を優先して、演習量の確保に力を注ぎましょう。
③掲載問題数及び種類が豊富である
優れた問題集は、厳選された良問が掲載されています。ただ、厳選されているといっても、あまりに掲載問題数が少ないと演習量が確保できませんし、掲載問題の種類が少ないと様々なパターンの設問に対応する力が付きません。
特に学習初期は、頻出論点や重要分野の知識を短期間で頭に叩き込む作業が最優先事項なので、類似問題であってもある程度の量の問題数を繰り返し学習する必要があります。
また学習後期は、様々なパターンの設問に対応する能力を養うために、可能な限り論点の重複が少なく種類が豊富な設問が収録されている問題集を使いましょう。
④掲載問題が古過ぎない
公務員試験の出題内容や傾向は時代とともに少しずつ変化するため、古い問題ばかりが掲載されている問題集を使って学習したところで、本試験では太刀打ちできません。近年の出題傾向を把握するためにも、可能な限り最新版の問題集を使うようにしましょう。
特に時事要素が強い科目は、最新年度版の問題集を使わなければ意味がありませんので、問題集を買うときは発売日に注意しましょう。
なお、様々な分野を網羅的にカバーするため、敢えて古い過去問を掲載している場合がありますが、それについては問題ありません。
⑤掲載問題にレベル表示がある
問題集の掲載問題に、難易度や出題頻度のレベル、またその問題が実際に出題された試験名や出題年度が表記されているかどうかという点は、問題集選びの際に必ずチェックしましょう。
試験の出題傾向や難易度は、当然公務員試験の種類によってある程度異なるので、受ける試験種に応じて勉強する範囲や分野を考慮しつつ学習を進めなければなりません。
また、学習初期はまず一通り学習することが重要なので、難易度の高い問題を後回しにするなど、学習到達度に応じて取り掛かる問題を使い分ける必要があります。
よって、掲載問題にレベル表示があれば、受験職種の出題傾向やレベルを把握する上で目安にできるともに、学習時に状況に応じて問題の取捨選択ができるので、戦略的に受験勉強を進めることができます。
⑥分厚過ぎない
これは参考書選びの鉄則のひとつでもあり、本が分厚過ぎると勉強のモチベーションが落ちるというのも理由の一つですが、問題集の場合は決して薄いのが良いというわけではありません。
問題集は学習のメイン教材ですから、掲載問題数は多いに越したことはありませんし、網羅性の高い問題集を選ぶとなると、必然的にある程度分厚い本になってしまいます。
ただ、分量が多過ぎると反復学習が大変になります。得点力は、いかに同じ問題集を回したかで決まってくるので、いくら掲載問題数が多かろうと反復回数が確保できないと力は付いてきません。
本試験までの時間に余裕が無い場合は特に、短期間で1冊の問題集を何周もしないといけないので、問題集選びの際は「反復回数が確保しやすいかどうか」も基準の一つとして、自分の状況に合った分量の問題集を選ぶようにしましょう。
⑦合格者の評価が高い
これも参考書と同様で、数多くの合格受験生に支持された問題集というのは信頼できます。
当サイトではサイト運営者の評価のみならず、そういった多くの受験生の声もきちんとチェックした上でおすすめ本をチョイスしておりますので、ご安心ください。
本にはやはり相性があるので、最後は自分で実際に確かめるなりして、納得できるものを選ぶようにしましょう。