公務員試験勉強におけるおすすめの過去問題集はコレだ!

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おすすめ過去問集 参考書・問題集選び
室長
室長

このページでは、受験者の皆様が本選びに失敗しないために、公務員試験対策室職員が議論の末に選び出した市販の精選過去問集を、レビューという形でいくつか紹介したいと思います。

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公務員試験新スーパー過去問ゼミ(実務教育出版)

公務員受験生の間ではスー過去という略称で親しまれる、公務員受験超定番の参考書兼問題集。シリーズもので、ほぼ全科目分発売されています。

各章の冒頭で試験別出題傾向と対策について説明があり、テーマごとに必修問題→POINT(レジュメ)→実戦問題という構成。レジュメ部分は要点のまとめ方が秀逸で、問題の解説は非常に詳しく丁寧なため、初めて勉強する人でも問題なく使えます。

国家総合職、国家一般職、国税専門官、地方上級、市役所と幅広い職種の過去問が収録されており、収録問題数も網羅性も十分。各試験種における各テーマの頻出度が明記されるとともに、問題の難易度が*マークで示されているため、問題の取捨選択がし易く戦略的に学習を進めることができます。国家一般職・地方上級レベルの試験には十分対応できる内容です。

強いて欠点を挙げるなら、実戦問題の解説が各テーマの最後に載っているため、「問題を読んですぐ解説を読む」という学習スタイルで演習を進める上ではやや使いにくい点はありますが、この過去問集のクオリティを考えればそんなのは些細な問題です。

なお、本書を用いた学習の仕方については、科目別学習法のところで詳しく説明していますが、暗記系科目と理解系科目で使い方がやや異なります。

法律系科目や行政系科目、及び人文科学等の暗記色が濃い科目については、復習回数の確保を優先するため、原則として問題を解きません

1周目は、「必修問題を読んだらすぐに解答・解説を確認→レジュメで要点を確認→実戦問題の各設問を読んで、ちょっと考えてからすぐに解答・解説を確認→設問の近くに正答を導く上で必要な情報を赤ペンで書き込む→解説の重要な部分にマーカーをひきつつ覚える」という流れで、「過去問集を加工」しながら学習します。

そして2周目以降は問題集への書き込み作業はせずに、「必修問題とレジュメを一読→赤ペンで書き込んだ部分を赤のフィルムシート等で隠しながら実戦問題を読む→頭の中で正答を決めてから解答・解説を確認→自分が間違った設問に印を付ける(復習時に重点的に学習するため)」という流れでスピーディに復習します。赤ペンで書き込む作業は抵抗があればしなくても構いませんが、手を動かしながらの学習は暗記に効果的なので、最低でもマーカーは使いましょう。

一方、経済学や一般知能科目、数学や物理等の理解色が濃い科目は、解説へのマーカーを除き、問題集への書き込みは最小限にします。1周目は自力で解く必要はありませんが、文章理解を除くこれら科目については、常にノートや紙に図やグラフ、数式を書きながら解法パターンを覚えるようにします。2周目以降は可能な限り自力で解いて、理解力を養います。

経済学と民法はそれぞれ2分冊と分量は多いですが、この2科目はスー過去の中でも特に出来が良いため、試験日まで半年程度猶予があるなら迷わず使うべきです。

本書で評価が落ちるのは、解説がやや淡泊な行政法と、網羅性に欠ける自然科学・人文科学だけ。それでも本書シリーズのクオリティは全般的に他書と比較しても高いため、独学受験者はこのシリーズを学習の中心に使うことになるでしょう。

チェック!

憲法、民法Ⅰ、民法Ⅱ、ミクロ経済学、マクロ経済学、労働法が特におすすめ

公務員試験過去問解きまくりシリーズ(LEC出版)

大手資格専門学校東京リーガルマインド出版の公務員受験定番過去問題集であった「過去問クイックマスター」(クイマスシリーズ)が、2019年に大リニューアルされました。

従来のクイマスシリーズの内容が改訂・改題され、直近年度実施の各種公務員試験問題が新たに収録されるなど、最新の試験傾向に対応するためのパワーアップ版としてLECから出版されたのが、この「過去問解きまくりシリーズ」です。

装丁も変わり、「なんだこの過去問集は!?」と一瞬うろたえる既学受験生もいらっしゃるかもしれませんが、LEC生を中心に多くの公務員試験受験生に使われてきたシリーズであり、信頼できる内容となっています。

2色刷りで、ページの表側に問題、裏側に回答と解説が記載されている構成。収録されている過去問は良問が厳選されており、国家総合職や地方上級の過去問も多く掲載されているため網羅性も高く、かつ非常に詳しい解説は本シリーズの最大の特徴です。

「スー過去」と異なる点は、実践過去問演習の部分。「スー過去」は問題が連続して掲載され、その後ろに解答解説というつくりですが、「解きまくり」は見開き2ページで左に問題、右に解答解説が記載されている構成。

「解く」上では答えが見えてしまってやや使いづらいですが、「覚える」上では復習しやすい点で非常に効率的。勉強開始時の過去問集を使っての学習は、原則として「解く」よりも「覚える」ことを目的としているため、この構成は初学者にとって非常に学習しやすく評価できるところです。

「スー過去」と「解きまくり」、どちらを使うか迷うところですが、それぞれ科目によって善し悪しがあるので、うまく使い分けましょう。

司法試験予備校であるLEC出版というだけあって、法律系科目の解説が特に優れており、解説を読むだけでもかなりの知識が身に付きます。というか、人によっては「くどい」と思われるほど解説が厚く、解説を読ませてそこで知識をつけさせようという強い意図を感じます。

経済系科目はスー過去の出来が良すぎるので本書の出る幕はありませんが、行政法や一般知識科目等のスー過去の評価がいまひとつの科目については、本書は十分利用価値があります。

また、社会学等の行政系科目についても、一部では「スー過去」より解りやすい等の声があるため、このあたりは自分に合うか合わないかで判断してゆく必要があります。

全科目を通じて、受験生の特に独学組は「スー過去」を使っている人の方が明らかに多いので、「解きまくり」を使うことに抵抗がある受験生もいると思いますが、どちらを使ってもしっかりと繰り返し学習すれば筆記試験は突破できるでしょう。

チェック!

憲法・行政法など法律系科目全般、人文科学Ⅰ・Ⅱ、自然科学Ⅰ・Ⅱの出来が良い

だから「カコモン」で克服!(TAC出版)

本書は国家総合職・国家一般職・国家専門職・地方上級対応のTAC出版による公務員試験対策過去問題集です。

「要点整理」(レジュメ)→「解き方実況中継」(解法実例)→「過去問にチャレンジ」(過去問演習)→「解答解説」という流れで、学習のインプットとアウトプットを同時に行える過去問集の王道スタイル

本書の売りのひとつは「解き方実況中継」。問題と解答解説を見開き2ページに掲載し、「間違っている選択肢を正しい文章に直し、それらを覚えていく」という当サイト推奨の学習法で解法パターンを身に着けるというコンセプトで、非常に効率よく学習できます。問題演習の解答が別冊で抜き取ることができる点も、使い勝手がよく好印象です。

さて、公務員試験勉強における本書の使いどころですが、要点整理等のインプット部分はスー過去よりも全般的に丁寧で、ページ数も多く割いているので、初学者にオススメできる過去問集です。ただ、過去問の収録数ではやはりスー過去に劣るため、時間がない受験生にとってのいわゆる「しのぎ」でいく科目に使えます。

特に、スー過去ではいまひとつの「行政法」科目や、一般知識科目(中でも自然科学)おすすめです。

チェック!

行政法が使える。全科目とも学習効率を考えた非常に親切なつくりのため、学習導入時に利用というのが基本スタイル

公務員試験 出るとこ過去問セレクト(TAC出版)

難問、奇問、レア問をカットした100問以下の厳選問題による演習で、7割得点を目指すというコンセプトの過去問集。2020年度にリニューアルされました。

各章はじめにある「POINT整理」というレジュメでテーマを概観し、その後個々の過去問を通して重要論点を身に付けていくという形式。全テーマ見開き2ページ完結型で、左ページ上部に問題、右ページ下部と解答・解説があり、その間にPOINTという当該設問に係る重要論点の説明があります。

他の有名過去問集にない本書の特筆すべき特徴は、「本の薄さ」。「この程度の薄さなら」と、学習初期でも「とっつきやすい」というのが本書の最大の売りです。

ただし、国家総合職等の高難易度の問題がほとんど収録されておらず、問題演習量も必要最小限であるため、本書のみで国家一般職・地方上級の試験に挑むのは危険。本書で主要科目の「7割を目指す」のは無謀というもの。

それでも、厳選された設問を通して幅広い知識を得ることができるため学習効率が高く、また、掲載されている過去問の解説自体は比較的あっさりしていますが、その問題に係る要点整理が充実しているため理解に困ることはありません。初めて学ぶ人にこそお勧め出来るテキストです。

本書は「主要科目の導入本」としても使えるし、「国家一般職の専門試験で選択するまではいかないが、地方上級で数問拾いたい」程度の科目を「しのぐ」用としても使えます。当サイトでは行政法の導入本として、また国際関係のしのぎ用としてお勧めしています。

チェック!

初学者におすすめできる薄さが特徴。“しのぎ科目”用と割り切って使う

出たDATA問(七賢出版)

大手資格専門学校東京アカデミー編集の過去問集。シリーズものですが、専門分野は主要科目以外発売されておらず、教養分野のみ「基礎編」と「実践編」に分かれています。

他の過去問集と比較して優れている点は、「毎年最新の過去問を収録して改訂されているため最新の傾向に沿っている」という点、「解答解説が別冊になっていて学習し易い」という点、「収録問題数が多く(特に専門科目)、国家総合職や地方上級の過去問が他社過去問集に比べ豊富」だという点が挙げられます。

ただ本書には要点まとめ部分(レジュメ)が無く、毎年改訂するというタイトな編集スタイルのせいか解説が簡素なので、初学者にはハードルが高い内容となっています。

良く言えば簡素、悪く言えば不親切な解説が特徴で、国家総合職や地方上級などハイレベルな問題が豊富に収録されている本書は、既に他の過去問集を何周もしてさらに力を付けたい人や、予備校で一通り学習を終え基礎がしっかりしている人に適している過去問集だと言えるでしょう。

シリーズもの過去問集の到達レベル的には、出るとこ過去問≦だからカコモン<解きまくり=スー過去<DATA問といった感じで、時間が無い人は無理に本書を使う必要はないですが、他の軸とする過去問集を使い込んでから本書で学習すると、確実に実力がつきます。

チェック!

得意科目やさらに実力を上乗せしたい科目に限定して使うのが原則

公務員試験合格の500シリーズ 過去問500(実務教育出版)

毎年数年分の過去問に最新年度の過去問を加えて出版される公務員試験種別過去問集。

国家総合職と国家一般職、及び地方上級編は教養科目と専門科目に分かれており、それぞれ全教科の年度別復元問題が1冊に500問程度収録。要点整理部分はありません。

本書は実際の本試験の出題順及び出題数比率に応じて問題が掲載されており、志望公務員試験種の出題傾向を手っ取り早く把握することが可能。問題と解答解説が原則としてセットで1ページに収録されているため使い勝手が良く(問題がページ上部、解答解説がページ下部にある)、サクサク学習が進みます。

ただ、数年分が1冊に詰め込まれているぶん1科目あたりの収録問題数は他の過去問集より少なく、かつ解答解説が極めて簡素なため、本書で紹介している他の過去問集のどれよりも初学者には不向きな過去問集です。

よって本書は、他の過去問集でしっかり実力を付けた後に、志望職種の本試験の出題傾向の把握や、試験直前の総復習に使うべきアウトプット用過去問集です。

時間がなければ無理をして使う必要はありませんが、本番レベルの問題で科目別にどの程度得点できるのかを概ね把握できるので、できれば志望職種の分は試験直前に一通り目を通しておきたいところです。

チェック!

志望職種の本試験の出題スタイルを把握するのには最適な過去問集。本試験直前期等にザッと通るのが理想的な使い方

過去問+予想問題集 シリーズ(TAC出版)

教養試験、専門試験、記述論文を含め、本試験で出題された全ての年度別復元問題が直近過去3年分掲載されている試験種別アウトプット用教材。巻頭には試験概要と各試験項目の出題テーマ一覧が載っています。

また、過去問に加え、TAC公務員講座が創作したオリジナル問題も1セット収録。試験問題が本試験と同じ並び順・出題数で収録されているため、時間を計って解くなど、まさに模試代わりに使える貴重な過去問集。

複数年度の問題が混在している過去問500と異なり、本書は本試験がほぼ完全に再現されているため、より忠実に本試験レベルの演習が可能です。

過去問500と比較して、本書は解答の解説が断然詳しいのも特徴。アウトプット用教材は必ずしも解説が詳しい必要はありませんが、詳しいに越したことはありません。

また、専門記述の回答例が載っている点も過去問500との相違点ですが、直近3年間のテーマが本試験で再度出題されるかどうかは微妙なところなので、記述試験の雰囲気の確認程度には使えます。

何より本シリーズは、国税専門官や裁判所職員一般職、労働基準監督官Aといった、過去問500ではカバーされていない試験種のものが出ているので、これらの職種を志望する受験生が本試験の出題形式及び出題傾向を一気に把握するには、本書を使うしかありません。

国家一般職・地方上級の受験生が本書と過去問500のどちらを使うかは好みですが、本試験のシミュレーションには本書の方が適しています。

チェック!

本試験直前の模試代わりに最適。本試験のシミュレーションはこれで

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