社会学、刑法、商法、及び会計学を捨てる6か月計画例です。「捨て過ぎでは?」と思われるかもしれませんが、6か月計画ならこれぐらいが妥当です。
国家一般職よりも地方上級の志望度が高い受験生は、安定しにくい国際関係を捨てて、代わりに比較的得点しやすい刑法を選択するのも一つの戦略であり、状況によっては両方捨てるという選択肢も有りでしょう。
また、国税専門官の志望順位をある程度高く設定している受験生は、どれかの科目を犠牲にして会計学や専門記述を勉強する必要があります。以下、6か月計画例の説明です。
6か月間の学習計画で使う教材
- 現代文:新スーパー過去問ゼミ(以下スー過去)
- 英語:速読速聴・英単語 Core1900、スー過去
- 判断推理:畑中敦子の判断推理の新兵器!令和版、スー過去
- 数的推理:畑中敦子の数的推理の大革命!令和版(以下畑中本)、スー過去
- 資料解釈:スー過去、過去問500
- 人文科学:読むだけですっきりわかる○○史、公務員試験 本気で合格! 過去問解きまくり!(以下解きまくり)、大学受験用参考書
- 自然科学:解きまくり、大学受験用参考書
- 時事:公務員試験速攻の時事、速攻の時事実戦トレーニング編、直前対策ブック
- 教養論文:落とされない小論文、寺本康之の小論文バイブル
- 憲法:スー過去
- 民法:伊藤真の民法入門、スー過去
- 行政法: 行政法まるごと講義生中継(以下まる生)、解きまくり
- 労働法:スー過去
- 政治学・行政学:行政5科目まるごとパスワード(以下まるパス)、スー過去
- 国際関係:出るとこ過去問セレクト70 国際関係(以下セレクト)
- 経済学:速習! ミクロ(マクロ)経済学(以下速習!)、スー過去
- 財政学:スー過去
- 経営学:スー過去
- 全般:過去問500(国家一般職、地方上級)
学習期間6か月の場合の計画例(横目盛は5日間区切り)
6か月計画の流れ
12月
- 判断推理・数的推理:「畑中本」で一通り学習する
- 民法:「伊藤の民法」→「スー過去」2周
- 経済学:マクロ経済学→ミクロ経済学の順でそれぞれ「スー過去」を2周。「速習!」をサポート的に活用。
1~3月
- 英語:「速読速聴・英単語 Core1900」を1日2テーマずつ読む
- 現代文:「スー過去」を2日に1題ぐらいのペースで解く
- 判断推理・数的推理:「畑中本」の復習。毎日数問ずつ解く
- 人文科学:知識整理本を通読後、選択する2、3科目を「解きまくり」で学習。確認用に、大学受験時の参考書を使う
- 自然科学:選択する2、3科目を「解きまくり」で学習。確認用に、大学受験時の参考書を使う
- 時事:「速攻の時事」テキスト編→トレーニング編(1日1,2テーマのペース)
- 憲法:「スー過去」3周
- 行政法:「まる生」→「解きまくり」3周
- 民法・経済学:2月中に「スー過去」3周目を終え、3月中に4周目に入る
- 政治学・行政学:「まるパス」→「スー過去」2周
- 財政学:「スー過去」2周
4~5月
- 英語:「速読速聴・英単語 Core1900」を1日2テーマずつ読む
- 現代文:「スー過去」を2日に1題ぐらいのペースで解く
- 判断推理・数的推理:「スー過去」を毎日数問ずつ解く
- 人文科学・自然科学:「解きまくり」を使って復習
- 時事:「速攻の時事」テキスト編→トレーニング編→テキスト編の繰り返し
- 教養論文:「落とされない小論文」を通読してから、「寺本康之の小論文バイブル」の答案例を覚える。
- 憲法:「スー過去」4周目(苦手分野、頻出分野中心)
- 行政法:「解きまくり」4周目(苦手分野、頻出分野中心)
- 民法・経済学:「スー過去」を速読(知識の維持)
- 労働法:「スー過去」3周
- 政治学・行政学・財政学:4月中に「スー過去」3周目を終え、5月中に4周目を終える
- 国際関係:「セレクト」を2周する。少し間を開けて3周目に入る
- 経営学:「スー過去」を2周する。少し間を開けて3周目に入る
6月
- 時事・教養論文:「速攻の時事」や「直前対策ブック」及び論文対策本で時事知識を確認・蓄積する
- 全般:「過去問500」で実践演習、模試の復習
6か月計画は1年計画以上に、この追い込み期間の使い方が勝負を分けます。
6か月計画例総評
公務員試験は6か月程度の学習期間で本試験に臨む受験生も多く、その意味で、この独学6か月計画例は既に紹介しました1年計画例よりも現実的かと思われます(それでもかなりタイトかつハードなスケジュールですが)。
この6か月計画例が1年計画例と異なる点は、やはり使う参考書、問題集を極力絞っているところでしょう。数冊の問題集を満遍なく使うのではなく、1冊の問題集の内容を完璧に会得することを最優先しています。そして、追い込み期間の過去問500による演習で、可能な限り知識を広げるという戦略です。
1年計画例より学習科目を絞っているため、当然国家一般職では専門の選択科目の幅が狭まりますが、11科目(憲法、民法Ⅰ、民法Ⅱ、行政法、政治学、行政学、国際関係、マクロ経済学、ミクロ経済学、財政学、経営学)用意していれば対応できます。(といっても、国際関係は「しのぐ」戦略で学習しているため、この計画例では事実上国家一般職では選択できないかと思います。)
地方上級でも、学習した科目で確実に得点を重ねれば、十分上位合格も狙えます。
むしろ6か月計画では、専門科目よりも教養科目の学習に手こずるかと思われます。特に一般知識科目は、高校時代の下積みが無い受験生は時間的にかなり厳しい状況になるので、科目の取捨選択を徹底し、頻出分野に絞って学習するなど、時間対効果を考慮して要領よく対策することが不可欠でしょう。
6か月計画は1年計画以上に要領の良さがものを言いますが、無駄を省いた短期集中型の学習を徹底することにより、6か月でも十分合格レベルまで持っていくことは可能です。