科目別の必要学習時間と1日の学習科目数の予測

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学習計画の作成
主事
主事

学習計画はいわば地図のようなもの。公務員試験合格という「目的地」がわかっていても、いまどの地点にいるのか、次にどの方向へ進めばよいのかを把握していなければ、スタートしても途中で遭難してパニックに陥ることになります。

心に余裕を持って学習を進め、合格という目的地に確実に辿り着くためにも、自分の置かれた状況に応じた適切な「学習計画」を立てなければなりません。その学習計画が、本章で作成する「精度の高いスケジュール表」です。

本記事では、第2章「学習戦略を練る」のおさらいも兼ねて、 具体的な学習計画な立てるための情報を整理いたします。

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短期的・具体的計画で予測精度を上げる

ここまで本サイトの記事を読んでこられた方にはいうまでもありませんが、スケジュール表の作成作業に入る前に、どの科目を捨てるか、どの科目に最も力を入れるかを明確にしておくとともに、学習に使う参考書や過去問集を科目ごとに決めておくことが必要です。そうでないと、そもそも科目別学習時間を予測することは不可能です。

「精度の高いスケジュール表を作成する」という作業は、「期限内にすべきことを整理する」作業であるとともに、「目的の達成にどれぐらいの時間を要するかを予測する」作業でもあります。そして、学習所要時間を予測するうえで、その予測の精度を上げる(計画と現実のズレをなるべく小さくする)ためには、ある程度短期的かつ具体的な計画を設定しなければなりません。

このスケジュール表の作成作業によって「進捗状況の管理」が可能となり、加えて、やらなければいけないことが目に見えてくるので、「締切効果」による勉強に対するモチベーションのアップという副産物が期待できます。

必要学習時間は1周目にかかる時間の予測から

スケジュール表の作成にあたって、まずは1周目の学習を終えるのに(試験で出る内容をひととおり学習し終えるのに)どれぐらいの時間を要するかを、科目ごとに予測します。

予測の仕方としては、たとえば過去問集の「スー過去」を使って憲法を勉強する場合、目次を見ると全部で28テーマあるので、「1周目は1日2テーマのペースで学習するとして、1冊終えるのに2週間かかる」といった具合に、予測できる範囲で、達成可能な勉強量を具体的に算出します。

もちろん、参考書などの導入本を読む場合は、その分も考慮します。実際に勉強してみないと、目標学習量が果たして達成可能な勉強量なのかどうかを予測することは難しいと思いますので、たとえば「スー過去」をひとまず科目別に数テーマ勉強してみて、1テーマを終えるのにおおむねどれぐらい時間がかかったかを目安として、1日あたりどれぐらい学習できるのかを予測してみるのがよいでしょう。

仮に憲法1テーマに1時間かかり、1日に確保できる勉強時間が3時間なら、1日で憲法3テーマとするだけではなく、憲法2テーマ+その他の科目1テー マなどと配分することも検討してください。この科目別学習所要時間を予測するという作業により、「1日2テーマ学習する」といった短期の具体的学習量を計画することになり、さらに1週間から1か月といった中期的な計画の作成も可能となります。

たとえば、1週間で憲法は「スー過去」14テーマを終えて、民法は「まる生」2冊を読み終える、などという具合です。1周目にかかる学習時間を予測したら、次は2周目以降の必要学習時間の予測をします。

ここで、2周目以降は学習スピードがアップすることを 考慮して、「1周目は1日2テーマだったから、2周目は1日3テーマにペースアップして、1冊終えるのに10日かかる」といった具合に、学習進度とともに各科目の学習所要時間を短めに予測するようにします。

以上のようにして、たとえば憲法なら1周目の学習には2週間かかって、2周目は10日、3周目以降は1週間かかるといった具合に、科目ごとに1周にかかる学習時間を予測します。なお、この作業はあくまでスケジュール表に科目別の学習計画を落とし込むことを目的としているため、「全科目を学習し終えるのに何時間かかるか」などを計算する必要はまったくありません。

1日に学習可能な科目数を算出

次は1日に勉強にあてることのできる時間から、1日にどれぐらいの科目を学習できるかを予測します。これも実際に勉強してみないと予測しにくいと思いますが、たとえば勉強開始当初は1科目の学習に1日1~2時間程度かかるとして、時間に余裕がある学生でも、教養科目・専門科目でそれぞれ2~3科目程度の学習が1日あたりの勉強量の限界だと思います。

軌道に乗ってくるともう少しできるようになりますし、本試験間近だと必然的に1日に何科目も学習することになります。もちろん、学校の授業に忙しい学生や時間のない社会人ならもっと厳しくなるので、自分の置かれた状況に応じて柔軟に計画を考える必要があります。

達成可能なラインの7~8割を目安に

最初に設定した全期間を通しての目標学習量を確保できないようであれば、中期的な目標学習量を増やし、それに伴い短期的な目標学習量を増やします。一方、目標学習量を十分に確保できるようであれば、もう少し余裕を見るか、あるいは計画を上乗せするなど、本試験までの残り期間に応じて長・中・短の各スパンで計画を調整する作業が必要になります。

注意すべきは、とても達成できないような無理な計画は立てないこと。達成可能なギリギリのラインを10としたら、7~8程度の計画にとどめておくのが理想です。ある科目を1周するのにかかる学習所要時間を2週間と予測しても、同じ学習量を20日間ぐらいでこなすようなスケジュールにするなど、ある程度、幅・ゆとりを持たせて計画しましょう。

ムリをせず、睡眠時間は削らない

無理な計画は禁物です。特に、睡眠時間は絶対に削らないこと。すでに述べたように、記憶というものは人が寝ている間に整理されます。整理されない記憶は数日も経たないうちに脳から消えてしまいます。

また、人は寝ている間に情緒の安定や疲労回復にかかるさまざまなホルモンが脳内で分泌されるのですが、ホルモンが最も分泌される時間帯(夜の12時頃がピーク)に睡眠を取らないと、脳の回復が十分にされず、起床後の学習効率が大きく下がるといわれます。

夜遅く勉強するくらいなら、 夜の12時前には眠るようにして、朝早く起きてから勉強したほうが学習効率がよいということになります。

学習計画を立てる前に各科目の特徴をおさらい

各科目の学習を始めるタイミングは?

各科目にはそれぞれ特徴があります。学習計画を立てる上で、特に学習を開始する時期について注意すべき科目を把握しましょう。

① 学習初期に取りかかるべき科目

  • 数的推理、判断推理、民法、経済学

→ これらの科目は力がつくまでに(慣れるまでに)比較的時間がかかる。さらに数的処理は出題数が多いし、民法及び経済学は範囲が広い上に国家一般職で2科目分出る。要するに勝負科目である。

② 学習開始から試験直前まで毎日継続学習すべき科目

  • 数的推理、判断推理、文章理解

→ これらの科目は学習間隔を開けると勘が鈍りやすい。

③ 新しい問題集が発売されてから学習すべき科目

  • 財政学、時事

→ 新鮮な情報でないと意味がない、要するに過去問演習があまり効果的でない科目。

財政学は新スーパー過去問ゼミの改訂版が出てから。

時事は公務員試験速攻の時事の改訂版が出てから。ただし、本格的な勉強は新しい参考書が出てからで構わないが、2次試験以降のことを考えて、知識の蓄積という意味でも公務員試験勉強開始初期から社会事情には常に注意を払うよう心掛けること。

各科目の学習を始める順番は?

論点が重複するなど関係性が深い科目郡は、学習順序を工夫することにより効率的な学習が可能になります。

  • 法律科目(憲法、行政法、民法、刑法、労働法etc)

→ 国家の最高法規である憲法、又は私法の一般法である民法から学習を始めること。この2科目を一通り勉強すれば法律感覚が磨かれ、他の法律科目の学習がスムーズになる。商法は捨てていい。

  • 経済系科目(経済学、財政学etc)

→ 経済学を十分に学習してから、その他経済系科目を学習すること。

  • 行政系科目(政治学、行政学、社会学etc)

→ 重複する論点が多いため、同時又は近い期間に学習する。

  • 時事、教養論文

→ 時事の勉強は教養論文対策と面接対策につながる。さらに時事は国際関係や財政学、各種行政系科目など幅広い科目とつながりが深いため、他科目の復習にもなる。

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