面接本番の正しい態度と流れをチェック

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面接本番 人物試験対策
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建物に入ってからがスタート

面接試験というものは、面接を行う部屋に入ってからがスタートではありません。試験を行う会場の建物に入ってからがスタートだと認識しておいた方が良いでしょう。

例えば、都道府県庁や政令指定都市の地方公務員上級の場合、採用試験は人事委員会が主催します。以下、人事委員会についてWikipediaからの引用です。


人事委員会(じんじいいんかい)とは、日本の都道府県及び政令指定都市等に設置される行政委員会で、専門的・中立的な立場から人事行政に関する事務を処理する合議制の組織。
代表的な業務としては、地方公務員の労働基本権制限の代償措置として官民較差を調査して職員の給与に関する報告・勧告を行うこと、地方公共団体の職員の採用や昇任に関する競争試験や選考を実施することである。
人事委員会は3人の委員で構成される。委員の任期は4年。その下に事務局が設けられる。
委員は、地方自治の本旨及び民主的で能率的な事務の処理に理解があり、且つ、人事行政に関し識見を有する者の中から地方議会の同意を経て、首長が任命するとされている。

引用:Wikipedia

面接試験会場で採用試験の実施に従事しているのは、人事委員人事委員会事務局職員ということになります。

さらに、人事委員会事務局の職員だけでは採用試験をマネジメントするのに人数が足らない上に、実際に職員を「採用」するのは首長部局の人事課ですから、人事課職員も採用試験に関与しているのが一般的です。

つまり、面接試験会場の建物内には、そこら中に人事委員会事務局職員と人事課職員がうろついているということです。

面接室で面接官に従事しているのは、人事委員のほか、人事委員会事務局長、事務局課長級職員、そして人事課長などが主であり、そういうお偉いさん方は控室や面接室に待機しているので、面接開始まで遭遇する確率は低いと言えます。

会場に入ってから控室まで、また控室から面接室まで案内してくれる職員は、つまり面接官であるお偉いさん方たちの配下の職員と言えるでしょう。

ずいぶん回りくどい話になりましたが、何を言いたいかというと、当然、お偉いさん方と配下職員はつながっています

配下職員は、受験者を直接的に評価する立場にはありませんが、実はしっかりと受験者を見ています。何かネガティブな情報を掴んだ場合は、間違いなくお偉いさん方に情報提供します。

だから、会場に入ってから接する誘導者がたとえ若手職員であったとしても、決して気を抜かず、言葉遣いや表情など、社会人として常識的な態度とマナーを心掛けるようにしましょう

副室長
副室長

当たり前ですが、遅刻はもってのほかなので、注意してください。

控室での注意事項は

面接試験は通常、会場の複数の部屋で同時進行的に実施されます。受験者は複数人が同じ部屋に集まり、順番が来て誘導員に呼ばれるまで、控室で待機することになります。

控室で待機している間は、部屋内に職員はいないと思いますので、基本的に自由です。本を読んだりスマートフォンをいじったりすることも可能です。喉が渇いたとき用に飲み物も用意しておきましょう。

ただ、待機中は、面接カードのチェックや想定問答集の読みなおしなど、採用試験に関連のある行動に時間を使い、変に目立った行動はしない方が無難です。

同じ部屋で待機している受験者は将来の同僚になる可能性があるわけですから、良くない印象を与えることのないよう、振る舞いに気をつけた方が良いでしょう。

一方、待機中に他の受験者とちょっとした会話を交わすことは全然OKです。有益な情報を得られるかもしれませんし、自分の緊張を和らげることができるかもしれません。

ただし、騒がしくない程度の会話にすること。盛り上がって部屋の外に声が漏れるようなことは言語道断です。

入室から着席までの正しい流れ

個人面接を前提に説明します。

自分の順番が近づくと、誘導員に呼ばれます。職員の誘導にしたがい控室から出て、面接室の前まで案内されます。

普通は面接室の前に椅子が用意されており、前の順番の受験者の面接が終了するまで、その椅子に座ってさらに少し待つことになります。

その間は緊張がグッと高まる時間ですが、背筋を伸ばして良い姿勢で椅子に座ることを意識して、ガサガサせずに落ち着いてじっと待ちましょう。

事前に誘導員から説明されると思いますが、前の受験者の面接が終わり、その人が部屋から出てきても、すぐに入室するのではなく、少し待ってからの入室になります。その間、面接官は前の受験者の評価を簡単に整理しているのです。

入室は受験者の第一印象を決める大切なポイントなので、気を抜かずにいきましょう。

入室から着席までの流れは下記のとおりです。

①ドアをノックする

ドアを軽く3回ノックします。(2回でも4回でもなく3回が〇)部屋の中から「どうぞ」という声が聞こえたら、「失礼いたします」と言ってからドアを開けます。

②部屋に入り、ドアを閉める

部屋に入ったら、ドアの方を向いてドアを閉めます。後ろ手で閉めるのはNGです。

③面接官を向いてお辞儀

ドアを閉めたら面接官の方へ向き直り、中央の面接官に向かって30度の角度で腰を曲げてお辞儀をします。頭から腰まで背筋がまっすぐなるよう意識し、頭を下げたところで1秒間止めて、それから頭を上げると、きれいなお辞儀に見えます。お辞儀の前後では必ず面接官と視線を合わせるよう意識しましょう。

③椅子の横に立つ

お辞儀の後、椅子の横まで歩いて向かい、姿勢を正して立ちます。その際、男性は手を身体の横にまっすぐ伸ばし、女性は身体の前に両手を重ねます。このとき左手を上にするのが基本です。

そして、面接官に「受験番号×××番、〇〇〇〇(名前)です。よろしくお願いします!」と元気よく言い、再度お辞儀をします。

その際、言葉とお辞儀が同時にならないように注意しましょう。

④着席

面接官に「どうぞおかけください」と促されてから、「失礼いたします」と言い、浅めの一礼をして椅子に座ります。カバンは椅子の横に置くか、いすの脚に立てかけましょう。

座っているときは、以下の体勢を意識しましょう。

着席中の体勢
  • 椅子は浅めに座り、背もたれにもたれない
  • 背筋を伸ばし、あごを少し引く
  • 男性は両膝を軽く開き、手は握りこぶしにしてひざに乗せる
  • 女性は両膝を閉じ、両手を重ねてひざに乗せる

面接中の適切な態度

面接試験中に心掛けるべき大切な基本事項を下記6つに絞って説明します。

面接試験本番で心掛けるべき6つの大切な基本事項

①自然な笑顔をキープすること

②質問者の目を見て話すこと

③明朗快活感を出すこと

④落ち着きを見せること

⑤“会話”すること

⑥“第1志望”であることを伝えること

順にみていきます。

①自然な笑顔をキープすること

面接中は、どんなに緊張をしていても自然な笑顔を意識してください。何故なら、笑顔には「一緒に働きたい」と思わせる力があるからです。

面接では、面接官に「一緒に働きたい」と思わせることができれば勝ちです。

笑顔は、職場に明るさや元気をもたらしてくれそうな、ポジティブなイメージを連想させる力があります。つまり、笑顔そのものが立派な自己PRなのです。

特に集団面接では、笑顔の人に注目が集まります。受験者を比較されるこの種の面接では、笑顔は大きなアドバンテージとなり得るのです。

面接では緊張して硬い表情になりがちですが、口角を少し上げるだけでとてもいい表情になるので、少しでも明るい表情を心がけましょう。

副室長
副室長

なお、不自然な笑顔は逆にマイナスになりかねないので、第3者に見てもらう、鏡を見て練習するなど、自然な笑顔を作ることができるよう、準備が必要です。

②質問者の目を見て話すこと

目を見て話すのは、会話の基本です。目をそらしていると、自信がないように見え、印象がよくありません。逆に、目をしっかり見て話すことで、自信や熱意、真意が相手に伝わりやすく、印象が強く残ります。

面接官は複数いるのが基本で、3人がスタンダードです。それぞれの面接官が順番に質問してくるので、質問をしてくれた面接官の目を見て回答しましょう。

副室長
副室長

なお、にらみつける・凝視するのはむしろ悪い印象を与えるので、他人と会話するときは自然と視線を合わせてコミュニケーションをとるよう、普段から心掛けておきましょう。

③明朗快活感を出すこと

話すときはハキハキ、動きはキビキビといった、表情や声、動作から知性や明るさをアピールできれば、面接官に好印象を与えることができます。「笑顔が大事」とも共通する要素です。

公務員は人とのコミュニケーション無しではやっていけない仕事ですから、気持ちよく人と接することのできそうな受験者は、高く評価されがちです。

普段から人当たりの良いさわやかなイメージのある人は、面接ではとても有利です。普段は控えめな性格や寡黙な人も、面接の際は自分の精一杯の“明朗快活感”を出すよう心掛けてください。

④落ち着きを見せること

落ち着きを見せることで、面接官に安心感や安定感を印象付けることができます。

③の明朗快活感は、性格的な要素が強く、誰でも容易に出せるものではありません。言葉は悪いですが、普段から地味で暗い印象の人は、無理に快活感を出そうとしたところで、不自然となり、プラス評価を得ることができない場合もあるでしょう。

活発な印象に欠けるような人でも、落ち着きがあり、面接官からの質問に対し誠実かつ論理的に、かつ熱意を持って答える姿勢があれば、面接官から「こういう人材も欲しいな」と思わせることができます

特に地方公務員の行政職の場合、仕事の分野はすごく幅広いので、同じタイプの人間ばかり集めるよりも、多様な人材を採用したいという思いがあります。

快活な受験者は面接官受けがいいのは確かですが、いくら快活感を全面に出せる受験者であっても、落ち着きがなかったり軽率な印象がにじみ出ている場合は、大人しくても真面目で熱意のある受験者に比べて評点が低くなります。

そういう意味では、普段からあまり前に出るタイプではない受験者も、落ち着きを見せることで、十分高得点を狙うチャンスがあります。

⑤“会話”すること

面接では、準備してきた内容を思い出しながら、一方的に話し続けるのはかなりのマイナスポイントです。

面接官の質問内容をしっかりと聞き、言葉のキャッチボールをすることが極めて重要です。

さらに具体的にいえば、言葉遣いが乱れないよう注意しながら、「自然体で、自分の言葉で話す」ことが大切なのです。

面接官も、受験者が一生懸命面接の練習をして本番に臨んでいることは想定していますが、「練習してきた感丸出し」だと、やはり印象は良くありません。

面接官は受験者の本音を聞きたいわけで、「こりゃ、作ってきたな。」と思ってしまうと、採点しにくくなるわけです。

民間経験者などは、こういう点でアドバンテージがあります。多くの人の前でスピーチやプレゼンをした経験が多いと、「覚えてきたこと」を「自分の言葉」で話すことができるようになります。

コミュニケーション全般に言えることですが、攻略のポイントは慣れです。最初は意識しないとできないことでも、意識して何度も同じことを繰り返して「慣れる」ことができれば、それは自然なものとして自分の身につきます。

短時間で克服することは難しいですが、努力で何とかなる範囲なので、「他人と自然な会話をする」「自分の思いを言葉で相手に明確に主張する」ことを普段から意識して生活してください。

⑥第1志望であることを伝えること

多くの受験者は、複数の公務員試験を受けており、当然、志望順位があると思います。

そんな中で、第2志望以下の採用試験を受ける場合に、バカ正直に面接カードに「第2志望」だと記載したり、面接本番で「第1志望は別のところです(苦笑)」などと発言する受験者がまれにいるようです。

そういう方は、素直でいい人だと思いますが、面接で「第2志望以下」と明言している受験者に対して面接官が思うのは、「合格させても他の組織に行く可能性があるような人を、合格させるわけにはいかない」です。

「面接している時間が無駄」だと思われ、早々に面接を終わらせるでしょう。「それでも欲しい人材だから」と思ってくれる面接官はまずいません。

最終合格者による採用辞退をある程度見込んでいる国家一般職や国家専門職とは異なり、地方上級は、採用予定者=最終合格者としているケースも多く、採用辞退は何としてでも避けたいのです。

採用辞退されてしまうと、次年度以降の人員計画に影響が出て大変なので、いくら魅力的な人材であっても、合格後の辞退が決定的な受験者は問答無用で落としにかかります

国家公務員試験の場合だと、事実上の採用面接である官庁訪問も同じです。

「第1志望ではない」ことに面接官に気付かれたら、ほぼ終わりだと思ってください。

なお、たとえ最終合格しても採用を希望しないことが決定的な場合は、合格発表前に辞退の連絡をするようにしましょう。そうしないと、採用試験実施機関はもちろん、他の受験者に大きな迷惑がかかります。

副室長
副室長

「キープしておくか」程度に軽く考えて受験して、合格発表後に辞退の連絡をしたら死ぬほど怒られた、という話はたまに聞きます。電話で怒られるだけならまだしも、呼び出しを食らったというキツイ話も聞いたことがあります。

公務員を目指すのですから、品位とモラルをもって試験に臨んでください。

以上、面接本番で特に気をつけるポイントをピックアップいたしましたが、試験ですから、緊張するのは当たり前です。緊張が面接官に少し伝わる程度であれば全く問題ないので、自信をもって、熱意をしっかり伝えることができれば、良い結果につながるでしょう。

面接終了、退室までの流れ

面接官からのすべての質問が終わり、「面接は以上で終了です。お疲れ様でした。」と言われたら、面接は終了です。

入室時の印象は当然大切ですが、退出時の振る舞いは、余韻として面接官の印象に長く残りやすいので、最後まで気を抜かないようにしましょう。

面接終了から退室までの正しい流れは下記のとおりです。

①椅子から立ってお礼

面接終了の合図があったら、軽く会釈をして、椅子から立ち上がり、「本日はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございました」とお礼を述べた後、45度のお辞儀をします。

②ドアの前でお辞儀

お辞儀のあと、ドアに向かって歩き、ドアの前で面接官の方へ向き直って「失礼いたします」と言い、30〜45度の角度で再度丁寧にお辞儀をしてからドアを開けて退室します。

お辞儀の際は、顔を上げた際に面接官とアイコンタクトをとることを意識し、このときも自然な笑顔を忘れないようにしましょう。

面接室から退室したら、廊下や会場内にいる職員にも笑顔で軽く挨拶を交わすなど、周囲に気を遣いながら、他の受験者と余計な会話もせず、静かにかつ速やかに帰るようにしましょう。

副室長
副室長

面接試験が終わったらどうしても緊張が解けて気が抜けると思いますが、会場建物の外に出るまでが試験だと思って、最後まで気を緩めないように注意してください。

以上、面接本番の正しい態度と流れについて詳しく見てきました。 上記を意識しつつ、模擬面接を多くこなすなど、とにかくシミュレーションとトレーニングにより入念に準備して、万全の体勢で本番に臨むようにしましょう。

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