人物試験対策はいつから始めるべきか

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就職について考える 人物試験入門

公務員試験の2次選考以降で実施される面接・集団討論などの人物試験対策は、いつから始めるべきなのか。これは一見単純な問いかけのようでいて、実は結構重い問いかけです。

副室長
副室長

本当は、当サイトの第1章からスタートする筆記試験対策の記事よりも先にこのページを読んでいただいた方がいいのですが、構成的にこの順番になりました。室長に代わって謝罪いたします。

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1次選考の筆記試験が終わってからで間に合う?

さて、予備校等は「1次試験が終わってから2次試験対策では遅い」などと強めに謳っておりますが、当サイトの意見としては、それは「半分正解で半分間違い」だと思います。

というのは、「試験に最終合格するため」の対策という意味では、筆記試験が終わってからでも間に合うからです。

筆記試験が終わってから、急いで志望官公庁について研究し、志望動機を練り、自己分析を行い、面接カードの記入項目について考えて、面接マナーについて確認する。予備校の人物試験対策講座に参加したり、面接対策に係る書籍を読みあさったり、インターネットでいろいろ調べることで、人物試験を突破するための知識を十分身に付けることができるでしょう。

そして面接対策により作り上げた「面接官が好む人物像」を本番で遺憾なく発揮することにより、公務員試験に最終合格することは、決して不可能ではありません。

さて、ここまで読まれて、違和感を覚えられた受験生の方は、人物試験に臨む上でそれほど苦労しないでしょう。一方、「ほうほう、十分間に合うのか。オッケー、まずは筆記試験対策だ!面接対策なんて後回しだぜ!」などと息巻かれた受験生の方は、注意が必要です

公務員試験は、自分の人生を左右する就職試験である

「採用試験に合格する上では、筆記試験が終わってからでも間に合う」のは、まぎれもない事実です。実際、1次試験が終わってから2次試験対策に取り掛かるという受験生が大半で、そういった受験生でも最終合格し、採用されているのが一般的ではないでしょうか。

しかし、公務員試験は”就職試験”であり、それはこの先自分の人生を大きく左右する一大イベントであるという大前提を考えた場合、1次試験が終わって初めて「志望官公庁について研究しようとしている」、「志望動機を練ろうとしている」ようでは、明らかに「順番が違う」のです。

志望官公庁の研究や志望動機の確立なんてものは、そもそも公務員試験勉強を始める前、すなわち「公務員を目指すと決意した時点」で終わっていて然るべきものなのです。

当然、どの受験生も、公務員(あるいは具体的な官公庁職員)になりたいから公務員試験勉強を始めるわけですよね。そして、1次試験が終わってから急いで2次試験対策を始めるような受験生であっても、ある程度何かしらの志望動機を持って公務員試験勉強を始める筈です。

国を動かす仕事がしたいから・・・自分の生まれた土地に恩返しをしたいから・・・社会・地域に貢献したいから・・・志望動機は様々だと思います。もちろん、「公務員は安定しているから」だとか「休みが取りやすそうだから」だとか「社会的ステータスに魅力があるから」などといったちょっとアレな志望動機も、れっきとした志望動機です。誰にでも事情はあるのですから、必ずしも崇高で立派な志望動機である必要はありません。

しかし、そのような志望動機について、きちんと誰かに納得してもらえるような説明ができないようであれば、あるいは改めて考え直さないと明瞭に他人に主張できないようであれば、それはすべて「曖昧」な志望動機なのです。

公務員になってから後悔しないためにも

漠然とした志望動機のまま公務員試験勉強を始め、多肢選択式や論文といった筆記試験をクリアして、さぁ面接対策だ、となって、自己分析や志望官公庁の研究、志望動機について初めて真剣に考える。そしてその最中に、「あれ、なんだか自分の思っていた仕事じゃないな」だとか、「本当にこの仕事は自分に向いているのかな」などと立ち止まったところで、もう後戻りはできません。

何よりその時点では、とにかく最終合格することしか頭に無い受験生がほとんどだと思いますので、少し違和感を感じたところでそれほど気にせずそのまま最後まで突き進むことでしょう。

結果、見事公務員試験に最終合格し、内定を勝ち得て、念願の公務員になったとします。ところが、公務員として実際に働いてみて、「思い描いていた仕事とは違った」「社会に貢献しているという実感が持てない」「忙し過ぎて全然休めない」「思いのほか待遇が良くない」などという様々な現実に直面し、「こんなはずじゃなかった」と後悔したところで、後の祭りです。

軌道修正するにしても、このご時世ですからそう簡単ではありません。そして、このような悩みを持つ現職公務員は、実際に数多く存在します。

心から自分が満足できる仕事に就ける人間なんて、社会で一握りでしょう。しかし、多くの日本人は、社会に出てからは人生の大半を仕事に費やすことになるわけですから、どうせ働くなら、少しでも自分が満足できる部分が多い職業に就きたいと思いませんか。

仕事を通じて得る‟やりがい”や‟自己実現”といった、「金銭的な対価」以外で得るものがなければ、公務員に限らず、仕事を続けてゆくのは困難だと思います。

だから、将来後悔しないためにも、まずは公務員試験勉強を始める前に、「自分は本当に公務員になりたいのか」についてとことん考えてみてください

そして、「どうして自分は公務員になりたいのか。どのような公務員になって、何がしたいのか。自分はどういった人間で、公務員として何ができるのだろうか。」それから「志望先で、自分のしたいことが実現できるのだろうか。志望する公務員になることで、満足した人生を送ることができるだろうか。幸せな人生を送ることができるだろうか。」といったところを、とことん突き詰めてください。自問自答してください。

もちろんこの作業を行うためには、徹底的に自己分析する必要があるし、就職希望先を十分に研究しなければなりません。ウェブサイト、パンフレットや本で仕事内容を確認するだけでなく、実際に体を動かして、官公庁主催の業務説明会や職場ガイド、インターンシップに参加するなど、行政を肌で感じるという生きた経験が必要です。

そして、鼻血が出るほど頭と体を使って考えた結果、「やはり自分は公務員になりたい。自分のやりたいことは公務員でないとできない。」と決意が固まってからが、公務員受験勉強の始まりなのです。考え抜いた結果、「自分は公務員にはならない」という結論に至った場合も、それも一つの答えです。

それだけ考えて公務員になるという結論を下し、結果公務員になったところで、それでもやはり苦悩や挫折を味わうかもしれません。将来を完全に予測することなど不可能ですから。

しかし、「当時の自分は就職先を決める時に、あれだけ徹底的に考え抜いた。今自分が置かれている状況は、あの時に精一杯考えて、決断した結果なんだ。」と、将来の自分が後悔できないぐらいに、今できること、自分の将来について真剣に考えるということが、大切だと思います。

以上が「人物試験対策の開始時期」についての当サイトの見解です。「筆記試験が終わってから人物試験対策では遅いか」という問いに対しては、“試験合格”という意味では不正解(遅くない)。しかし、“後悔しない就職先決定”という意味では正解(遅い)ということです。

明確な志望動機は公務員試験合格のための最強の原動力

ここまで述べたことは、はっきり言って理想論ですが、このことを意識しておくことが直接面接対策になるので、1次試験以降の負担が当然小さくなるし、何より公務員受験勉強を始める前に志望動機がしっかり固まっている受験生はものすごく強いです。

固まった志望動機は「合格したいという強い意志」につながり、それは公務員受験勉強の最強の原動力となります。筆記試験勉強もはかどるし、オリジナリティのある志望動機を武器に、面接でもしっかりと、そして自然に相手に熱意を示すことができるでしょう。これは圧倒的な強みです。

なお、この記事を読まれた時点で、あまり志望動機について熟慮しないまま公務員試験勉強終盤に来ている人や、既に筆記試験が終わっちゃってる人は、その、まぁ、そんなに気にしないでください。今さら悩んでも仕方がありませんので、余計なことは考えず、今はとにかく最終合格に向けて突っ走ってください。

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